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ラピッドマスクでサンドブラストする時、失敗する原因はほぼこれです

サンドブラスト

ラピッドマスクがブラスト中に吹き飛ぶ失敗の原因

ラピッドマスクをきちんとガラスに貼り付けたのに、ブラスト途中で吹き飛んでしまい大失敗してしまった
「何が原因なの?」
「マニュアルどおりにしたんだけど・・・」
「ひょっとして不良品とか・・・」

原因はこの2つです

  • 使用する研磨剤(砂)の番手が粗い
  • 版下原稿の色の黒さが薄い

使用する研磨砂の番手が粗い

ラピッドマスクは通常のカッティングシートタイプのマスクと比べ非常に薄いフィルムタイプです。使用していただく研磨砂の番手には注意が必要です。

マニュアルには、「ラピッドマスクHT #150~#180」「ラピッドマスクHDなら#220」の記載があるようにフィルムによって適格な研磨砂の番手というものがあります。カッティングシートタイプのマスクですと#100~#120あたりを使われることが多いと思いますので、ラピッドマスクなどフィルムタイプのマスクを使用する時には研磨砂を変更する必要があります。

研磨砂の選び方参考動画

面倒くさいから元々入ってた粗い研磨砂をそのまま使ったり、ご自身でサンドブラストしている砂の番手が何番なのか把握していないというのは失敗を自ら呼び込んでいるようなものです。ご自身が使うマスキングによって研磨砂を入れ替えましょう。

版下原稿の色の黒さが薄い

ラピッドマスクでのサンドブラスト失敗に関しては、先ほどの研磨砂の番手も原因の一つなのですが、この「版下原稿での失敗」が一番の原因といってもいいでしょう。
ラピッドマスクをはじめ露光フィルムタイプのサンドブラストマスクは、版下原稿が紫外線を通す通さないのメリハリがマスク制作の肝となります。

ラピッドマスクの場合、通常は柔らかい樹脂製のフィルムなのですが、紫外線が当たることにより硬化し、パリパリの状態になる特性をもったフィルムです。

また、ラピッドマスクの貼り付け面に粘着の強い糊が付いているのですが、紫外線が当たることにより、先ほどのパリパリ状態になるとともに糊の成分が飛び、粘着が全くなくなるという性質を持ってます。

版下原稿の黒さが薄いとどうなるの?版下原稿の印刷が薄いとラピッドマスクを露光機でマニュアル通りの時間で紫外線を当てたとしても、黒さが薄いので紫外線が少量ではあるものの当たってしまいます。
先ほど記載した通り紫外線が当たると糊の成分が飛ぶ性質のフィルムですので、少量といえども紫外線に当たるにつれて粘着が少しずつ落ちていきます。

つまり、版下原稿の黒さが薄いと時間どおり露光し、出来上がりのフィルムを見るときれいに露光できたように見えても、実際はフィルムの粘着力が落ちてる状態になってるのです。

この動画で露光と粘着力の実験をしてみました

動画では1枚のラピッドマスクシートの半分を全く紫外線の当たらないように露光して、ラピッドマスクの粘着力と材質がどのように変化するのかを実験いたしました。

ラピッドマスク粘着実験

完全に紫外線をシャットアウトした部分と、紫外線を当てた部分との粘着の違い、そしてラピッドマスクがパリパリに変質する様子がわかっていただけるかと思います。

研磨砂の番手と版下原稿の濃さで失敗は激減しますサンドブラスト中にラピッドマスクが吹き飛んじゃう失敗の原因のほぼ9割が「的確な研磨砂の選択」「版下原稿の濃さ(黒さ)」で解決いたします。
小さいピースで構わないので新品のラピッドマスクをガラスに貼り付け粘着力を見てみてください。かなりの粘着力に驚くことでしょう。
次にご自身が作った版下原稿と重ねて露光し、粘着部分の強さを確認してみてください。

新品のラピッドマスクと粘着力は同じくらいですか?

もしご自身の版下原稿と重ねて露光したラピッドマスクの方が粘着が弱かったら、それは版下原稿の黒さが薄いと思ってください。

黒をより濃く印刷できる版下シート

研磨砂の選択や版下原稿の印刷は、細かい文字やデザインを失敗なくサンドブラスト加工するために非常に需要なポイントです。
サンドブラスト機の研磨砂を変えるのを怠ったり、版下シート、インクやトナーをケチったりすると結局いい結果になりません。失敗を繰り返すことによって逆にコストがかかってしまうことにもなります。
失敗を繰り返さず、クオリティーの高い作品を制作しましょう。

ラピッドマスクをお試し感覚で使えます

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