ガラス端材だけで丸皿を作ってみよう・面白いガラス端材の使い方
ガラスフュージングを楽しんでおりますと、どうしてもガラスをカットした後のガラス端材がたんまり出てきます。
このガラス端材のうまい利用方法というのはガラスフュージングを楽しんでる皆さんの永遠の課題でもあり、これまでこのブログでもガラス端材を使っていろんなものを作ってきました。
前回のブログではガラスを丸くカットせずにガラス丸皿を作るという荒技に挑戦し、その中でもガラス端材を使うということに拘って制作いたしました
ガラスを丸くカットせずに丸皿を作ってみた|ガラス端材の使い方 | グラクラBLOG
ガラスフュージングでの最初の壁「ガラスカット」。特にガラスを丸くカットするとなると最初のうちはかなり難しい。そこで今回はガラスを丸くカットせずに丸いガラス皿を作る、それも余っていたガラス端材を使うという画期的なガラスフュージング技法にチャレンジしてみました。
この制作では、丸くドーナツ状に溶かしたガラスサークルの中にガラス端材を詰め込んで溶かし、見事!?にガラス丸皿を作ることの成功したのですが、ここで一つの疑問が生まれました。
これ、最初にドーナツ状でガラスを溶かさなくても端材だけで作れるんじゃね?
というわけで今回はガラス端材(ガラス片)のみでガラス丸皿を作るという荒技に挑戦してみました。
今回の内容を動画で紹介
ガラス片だけで丸皿を作ってみよう
前回のブログでは最初に四角に切ったガラスを積み上げて円形に並べ、それを溶かしてドーナツ状のガラスを制作いたしました。
つまりこのドーナツ状になったガラスの枠内にガラス片を詰めて溶かし込んで円形のガラスを作ろうとしました。
結果、青いドーナツ状のガラスが堰き止め代わりとなってガラス端材が溶けて溢れることもなく溶けてガラス丸皿を作ることができたのです。
でもこの方法だと外側にガラスのリングの堰き止めがないとガラスが溶けて歪な形になって丸い形状のガラスを作ることができなさそう…
そこで思ったのが、
ガラスを完全に溶かしこまず、ある程度の形状を残したままの温度帯で焼成すれば、ガラスのリングがなくても円形のガラスが作れるのではないだろうか。
つまり、ガラス片を最初から円形に並べて、軽く溶着する温度帯であれば最初に並べた円形を見出さず丸いガラスを作ることができるのではないかと思ったわけです。
ガラス片を作る
ガラス片を作るというと変な感じがしますが、要はガラスカット時に残った細長いガラス端材などを適度な大きさにカットするということです。
ガラスを細かくカットするとなれば、やはり便利なガラスカッター「G-CAM」
ガラスを挟んで適当なサイズでどんどんカットしていきます。
クリアのガラス端材を多めに、他にも淡い系のピンクやイエロー、ブルーのガラス片も用意しました。
モールドで離型紙に円を書き、ガラス片を並べる
今回の制作では最終的に円形のモールドを使ってガラスを曲げてお皿にするので、実際に使う「ラウンドモールド115」を離型紙の上に置き、外周をマーキングします。
そうなんです。この描いた円の中にガラス片を並べて溶着する作戦です。
こんな感じで平たく円形にガラス片を並べる。
今回使用したガラスはアメリカブルズアイ社のフュージング用ガラス(膨張係数90)
1101クリア・1808アクアブルーティント・1820ペールイエローティント・1834コーラルオレンジティント
もちろんガラス片同士の間には隙間ができてしまうんだけど、なるべく詰めて並べる感じでOK。
隙間を埋めるように2段目を置いてタックフューズ
1段目の隙間の上に重ねるように2段目を置いていく。
食べ物などを乗せるお皿にする場合には隙間があると穴あきお皿になるので気をつけてくださいね。
アクセサリートレイなどで使う場合は少々隙間が残っても問題ないかと思いますよ。
トップ温度740℃10分キープで焼成いたします。
いわゆるタックフューズ(ガラスは溶着するもののガラスが溶け切らず元の形状を保ったままの焼成方法)
これであれば丸い形はキープできるはず・・・
いい感じで角が丸みを帯び始めて形自体は崩れてないっすね。
しっかり徐冷して(482℃で1時間キープ)じっくり冷まします。
見事、ええ感じの円形ガラスが出来上がりました。
ガラス片の角だけ丸みを帯びてくっ付いていて、これまたキラキラと可愛い感じのガラスですね。
モールドに乗せて曲げて完成
あとは「ラウンドモールド115」に乗せてスランピング。
トップ温度630℃まで3時間かけて上げてしっかりとモールドに沿わせて曲げる。
しっかりと徐冷もいたしまして出来上がりが…
いいっすね!キラキラと可愛らしいガラス丸皿の完成です。
ラウンドモールド115
スランピング技法により、浅めのガラス丸皿を制作できる磁器製のフュージングモールドです。離型剤を塗ってご使用ください(スプレータイプ離型剤パーフェクトプライマー推奨)
楽しいガラスフュージング
いけるねいけるね。ガラス片だけでいい感じの丸皿になってくれましたね。
この方法であれば、日頃持て余してしまってるガラス端材も有効に使えそうですね。
もちろん最初の丸いガラスを制作する段階でも少し温度を上げてもっとガラス片に丸みを持たせたりしてみても面白いと思います。
ご自身の好みの溶け方で制作してみてはいかがでしょうか。
ガラスフュージングってほんと楽しいっすね。
これからも一緒にガラスを楽しみましょう!!
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