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ランニングプライヤーはどれを使えばいいのか|ガラスフュージングでのガラスカット

ガラスフュージング

ガラスフュージングを始める時にまず必要なのはガラスをカットすること。
自分の思い通りのサイズや形状にガラスをカットできると作品のバリエーションが広がり、ますますガラスフュージングが楽しくなってきます。

ガラスカットに必要な道具、もちろんガラスカッターとカッティングオイルは必須。
最低この2つがあればガラスをカットすることが出来るのですが、このガラスカットを補助する役割をする道具として「ランニングプライヤー」という道具があります。

主に直線カットをするときにガラスカッターで入れたスコアライン(カット線)の沿って挟んでガラスを割り取るための道具なのですが、いろんなタイプがありまして特に初心者の方だと

「ランニングプライヤーってどれを使ったらいいんだ?」

なんて思ってる方も多いのではないでしょうか。

というわけで今回はショップなどでよく見かける3種類のランニングプライヤーを用意いたしまして、各種の特徴とガラスフュージングで使うガラスの厚みごとに実際に使ってみてどれが適してるのかを探っていきたいと思います。

今回記事の内容を動画で見れますよ

ランニングプライヤー3種類を比べてみました

ガラスカット用のランニングプライヤーでよく見かけるのがこの3つ。

ブルーランナー
メタルランナー
厚板用ランニングプライヤー

どれも材質であったり大きさであったり付属パーツだったり少しずつ特徴がありますね。

それでは一つずつ特徴を見ていきましょう


ブルーランナー

プラスチック製のランニングプライヤーで安価なものなのでお持ちの方も多いのではないでしょうか。
先端上の部分にはガラスカッターで入れたスコアラインに沿わせるためのラインが入っております。

下アゴの部分に丸みを帯びた出っ張りがあり、上アゴ部分の両端が少し山になった感じ。

つまりここにスコアラインを入れたガラスを置いて挟むと「てこの原理」でガラスを割り取る感じになります。

メタルランナー

シリコンキャップを外すとこんな形状

金属製のランニングプライヤー。
金属製だけにガラスを挟んだ時に傷が付いたりガラスを砕いてしまわないように先にシリコンキャップが付いてるのが特徴ですね。

このネジで締まる範囲を調整できる

このネジを回すことによって先端が完全に閉じないようストッパーになり、ガラスを握り砕いてしまわないようになってます。(ガラスの厚みによって調整します)

ブルーランナー同様に先端上部にはスコアラインに合わせるためのマークがついており、シリコンキャップを外して形状を見てみると下アゴは緩やかな山カーブ形状、上アゴは緩やかな谷状。
こちらもてこの原理を使ってガラスを割り取る感じです。

厚板用ランニングプライヤー

こちらも金属製で3つの中では一番サイズの大きいタイプです。
スコアラインに合わせるラインは他と同じく入っているものの、かなり先端形状が違いますね。

下アゴには白い玉が一つ、上アゴには白い玉が両端に2つ。
てこの原理でガラスを割り取るのは他のランニングプライヤーと同じなんですが、こちらの先端は握っても閉じないですね。
かなりの空間があるので薄いガラスだと挟めそうにないですね。ほんと厚いガラス板専用って感じです。
※6mm厚から18mm厚までのカットが可能

各種同じなのは先端の形状の下部分が1点、上の部分が2点で力が加わるてこの原理で割り取る仕組みであるということ。

あとは材質や先端の形状が少しずつ違うかなという感じです。

いろんな厚みのガラスをカットしてみよう

それではこの3種類のランニングプライヤーを使っていろんな厚みのガラスを割り取ってみましょう。

今回実験したのはガラスフュージングに置いて多用するであろうガラスの厚み

フュージング用板ガラス(ブルズアイクリアテクタ) 2mm厚 3mm厚 6mm厚 

の3つの厚みと、みなさんガラスカットで苦労するであろうフュージング後のガラスパーツ6mm厚に挑戦してみました。

全て同じガラスカッターでスコアラインを入れて、各ランニングプライヤーで割とる方法でやってみます。

フュージング用ガラス2mm厚

ブルズアイ1101クリア2mm厚
ガラスカッターでスコアラインをつける

使用するガラスはガラスフュージング用ブルズアイ1101クリア2mm厚。
ガラスフュージングを楽しんでおられる方にはおなじみの板ガラスです。

ブルーランナー

スコアラインに合わせて挟む
キレイにカットできました

何も問題なくカットできますね。
力もさほどいらず、グリップを軽く握るだけで簡単に割とることができました。

メタルランナー

軽き握るだけでカットできました

こちらも余裕のよっちゃん(笑)何の問題もなく簡単にカット出来ます。

厚板用ランニングプライヤー

ガラスが薄いと挟めない

これも余裕で・・・
かと思いきやなんと挟めない。

そうなんです。厚板用ということもあってグリップを握った時に先端が完全に締まらないようになってるんですね。

いっぱい握ってもこれだけの隙間がある

なのでグリップをいっぱいまで握ってもこの厚みだと挟むことすらできません。
6mm~18mm厚対応というのはこういうことなんですね。

フュージング用ガラス3mm厚

はい。先ほどより1mm分厚くなった3mm厚。
おなじくフュージング用の板ガラスでブルズアイ1401クリスタルクリアを使ってみます。

ブルーランナー

OK。簡単に割とることができました。2mm厚の時よりも少し力が入るか入らないかくらいで割とることができました。余裕っすね。

メタルランナー

なんてことないっすね。軽く握るだけで簡単に割とることができましたよ。

厚板用ランニングプライヤー

まだ厚みが足らずしっかり挟めない・・・

はい。嫌な予感がしてた皆様おめでとうございます。
皆さんの予測通りグリップを握っても隙間があって3mm厚もおなじく挟むことすらできません。残念。

フュージング用ガラス6mm厚

ブルズアイクリアテクタ6mm厚
さすがに分厚い印象。同じようにガラスカッターでスコアをいれます

さぁいよいよガラスの厚みも佳境となってまいりました。
フュージングの板ガラス、ブルズアイ1100クリアテクタ6mm厚。
先程の倍の厚みなのでこれは結構根性いりそうな気がします。さぁいってみましょう。

ブルーランナー

おいおい、ビクともしないぞ(汗)
グリップがしなって力が出ないよー(><)/

あちゃー(><)/ かなり厳しいですね。

しっかりとグリップを握りしめるのですが、材質がプラスチックだけにグリップがしなって曲がってしまい力がうまく伝わらないんです。

グリップの根元の方をもってフルパワーでやっと割れた

かなり根性がいるんですがグリップの先端に近い方をかなりの力で握り込んで何とか割とることができました。

これは握力の少ない方にはかなり厳しいですね。

メタルランナー

先程のプラスチック製のブルーランナーとは違ってこちらは金属製。
力を入れてもグリップが曲がることはないから大丈夫でしょう・・・

おいおい、普通の力じゃビクともしないぞ(汗)

かと思いきや軽く握るだけでは割れてくれません。
※ガラスの厚みをなめんなよ

かなりの力で割ることが出来た

かなり力を入れまして割とることができました。
ま、なんとか合格点てなところでしょうか。

厚板用ランニングプライヤー

さぁさぁいよいよ厚板用ランニングプライヤーの本領発揮タイムがやってまいりました。

先程の2本ではかなり苦戦いたしましたが厚板用ランニングプライヤーではどうでしょうか。

よ、よ、余裕過ぎる・・・

ワオッ!!驚くほど余裕!!!

さすがの厚板用。グリップを軽く握るだけで簡単に割取れてくれました。

フュージング後のガラスパーツ6mm

さぁ、ラストはフュージング後のガラスパーツ6mm厚。
ガラスフュージングを楽しんでおりますと、フュージング後のガラスをカットしたい時というのがでてきます。

やはり厚みが6mmになり、板ガラスでなく丸みを帯びたフュージングパーツともなればガラスカットが難しくなるのも当然。

というわけで今回はフルフューズした約5cm角サイズのガラスパーツのカットに挑戦してみました。

各ランニングプライヤーの実力はいかに・・・

5cm角サイズのフュージングパーツ
平らな裏面にスコアを入れます

ブルーランナー

やはりグリップが柔らかくて曲がっちゃうんよネ

あ、あ、アカン・・・
板ガラスの6mm厚のときと同じく、グリップを握り込むとしなって曲がってしまい先端に力が入りません。かなり根性で握りしめましたが無理。

板ガラス6mmの時はガラスの面積が広かったせいか根性で力を入れるとなんとか割とることができましたが、面積の狭いガラスパーツだと厳しいですね。

メタルランナー

なかなか割れない・・・

ここは根性の見せどころのメタルランナー。

握ってみると簡単には割取れてくれません。
ガラスパーツの端の方で握ってみるとフルフューズでガラスが丸くなってることもあって滑ってしまうことも・・・。

ある程度ガラスの端から中央にずらしたところでグリップを強く握りしめたら・・・

力いっぱいギュッと・・・なんとか割れてくれました

なんとか割とることができました。

割れないことはないですが、力が結構いるのと力余って割れて瞬間にカットしたガラスが吹っ飛んでしまうことも・・・

力加減になれが必要な感じですね。

厚板用ランニングプライヤー

さぁさぁ先程のガラス板6mmでは本領発揮。
かなり余裕で割とってくれた厚板用ランニングプライヤー。
この5cm角と小さめのガラスパーツも余裕でわりとることができるのか・・・

えっ!こんな簡単にカット出来ちゃうの!?

余裕過ぎる。
驚きのガラスカットです。軽くグリップを握るだけでいとも簡単に割とってくれました。
厚板用とはよく言ったものです。お見事!!!

一つ注意しておかないといけないのは、厚板用ランニングプライヤーの上アゴの白い玉の間隔が割と広いので、カットするガラス幅が最低でも3cm強くらいないと割とることが出来なさそうです。

自分の制作にあったランニングプライヤーを持とう

以上いかがでしたでしょうか。

いろんな種類があるランニングプライヤーですが、どれを使えばいいのか参考になりましたでしょうか。

ブルーランナーは安価ですし、2mm、3mmであれば簡単に割とることができますので初心者の方や予算が限られてる方には重宝するランニングプライヤーだと思います。

メタルランナーはかなり安定していろんな厚みに対応できますのでガラスフュージングでの通常の制作であればこれ1本で大丈夫だと思います。

厚板用ランニングプライヤーはもちろん厚みのあるガラス専用ではありますが、6mm厚のガラスを多用する方や、フュージング後のガラスパーツをカットすることが多い方には最適なランニングプライヤーたと思います

ブルーランナーと厚板用ランニングプライヤーとかメタルランナーと厚板用ランニングプライヤーのように2本持ちにすると、ガラスフュージングで使用する大体の厚みのガラスカットに使用できますのでおすすめです。

皆さんの制作したいものに合わせて使い分けていくのがいいのではないでしょうか。

さぁ!ガラスフュージングをどんどん楽しんでいきましょう!!



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