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変色させるために生まれたガラス|ブルズアイ 0009 リアクティブクラウド

ガラスフュージング

ガラスフュージングを楽しんでると、時々重ねたガラスの設定がなんだか黒ずんだり、茶色に変色したりして困ったことないですか?

これは使ったガラスに含まれる金属や鉱物の成分が焼成によって反応して起こる変色です。

『うわー、変色しちゃった(>_<)』

『ガラスの境目に変な線が入ってるやん』

と皆さんマイナスのイメージでとらえることが多いと思うんだけど、実はこの変色…

うまく利用すると通常の焼成では表現できない線や色を作り出すことができ、オリジナリティ豊かな作品を作ることができるんです。

そう、皆さんがやっちゃった感いっぱいで凹んでたガラスの変色は、実はやったった感あふれる変色だったのです。

参考記事

ガラスフュージング用ガラスの世界的メーカー「ブルズアイ社」では、このガラスの変色に関してどのガラスとどのガラスを合わせると変色するのかをデータで公開してます。

参考資料:ブルズアイリアクティブ表


つまりこの表を元にして、ガラフュージングでの変色を有効に使ってガラス作品を作ろうということなんです。

それどころか、この化学反応によるガラスの変色を起こさせるためにわざわざ作った板ガラスがあるという…

というわけで今回はその代表的なガラス『0009 リアクティブクラウド』という白いガラスを使って変色を楽しんでみました。

ブルズアイ 0009 リアクティブクラウドってどんなガラス?

さて、この「0009 リアクティブクラウド」

焼成前の板ガラスの状態だとなんの変哲もない普通の白いガラス。

ブルズアイ 0009 リアクティブホワイト

通常の「0113 ホワイト」と並べてみると少し青みがかった白色に見えますね。

左:0009 リアクティブクラウド  右:0113 ホワイト

通常の「0113 ホワイト」はどんな色のガラスと重ねても変色しない白色ガラス。

これに対し「0009 リアクティブクラウド」は銅や銀と反応するように作られたガラスです。

つまりブルーやグリーン系に多い、銅を含むガラスと反応して変色するガラスなんです。

実際に銅を含むガラスと重ねて焼成してみよう!

さてこのリアクティブクラウドを使うとどんな感じの変色となるのか…

銅を含むガラスとなると…

選んだのは…

0116ターコイズブルー 0145ジェイドグリーン 0146スチールブルー 1116ターコイズブルー(透明)1808アクアブルーティント

リアクティブクラウドを4cm角にカットしてその上に2cm角の各銅を含むガラスを置いて焼成します。

このままトップ温度780℃で焼成

上のガラスが軽く溶け込むくらい

しっかり冷まして…

ワォっ、変色してるねぇー

上に置いたガラスの輪郭に茶色や褐色のラインが入ってますね。

これがリアクティブ、化学反応によるガラスの変色です。

こちらのガラスはもう全体が変色。

1009リアクティブクラウドの上に1116ターコイズブルーを乗せたヤツですね。

なぜ全体がこんなに黒くなってるかというと…

1116は透明系のターコイズブルーなので、リアクティブクラウドとの変色部分が透けて見えちゃってるんです。

不透明系も同じように変色してるんだけど、透過して見えないので、輪郭だけ色が変わったように見えてるということですね。

この透明、不透明のリアクティブも使い方によっては面白い表現ができそうですね。

実際にリアクティブを作品にどう使う?

どんな変色をするのかの確認は出来たので、このリアクティブを作品の中に取り入れるとしたらどんな感じになるのかやってみました。

まずはガラスフリット(ブルズアイ0145ジェイドグリーン)をリアクティブクラウドの上にパラパラ乗せて見ました。

もちろん一粒一粒に変色が起こってますね。

こんなパーツをフュージング皿のワンポイントで使ったり、アクセサリーパーツとして使うのも良さそうです。

ガラスストリンガーをロウソクで炙って曲げたパーツを作って溶かす

もちろんリアクティブクラウドと反応する「0216ライトシアン」。

ロウソクの炎にあてながらウネウネと自由に曲げていき、パーツを作って…

こんな感じでリアクティブクラウドの上に乗せて焼成します。

ロウソクで炙るとどうしてもガラスに黒く煤がつくのですが、これは電気炉の焼成で飛ぶのでそのまま使用してOKです。

うまく溶けて、そしてガラス同士の接点が反応してますね

0216ライトシアンの輪郭に赤茶色のラインができてます。

これは面白い。

この技法で板ガラスを作っておけば、お皿やプレート、アクセサリーなど制作のベースガラスとして、また装飾パーツとしても大活躍しそうです。

リアクティブはマイナスではなくプラスだ!

このように、これまで失敗ととらえがちだったガラスの化学反応による変色(リアクティブ)

マイナスなんてとんでもない。

使いこなすことによってご自身のこれまでの作品にない表現や配色、デザインをめちゃくちゃ増やすことができる、言わば必殺技にもなり得る技法なのです。

皆さんも各ガラスの特性を知り、リアクティブはじめどんどんガラスを楽しんでいきましょう。

ガラスはほんと面白い。

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