ロゴ

【ガラスフュージングネタ(笑)】ガラスのカードスタンドの作り方

ガラスフュージング

先日このようなツイートをしたところ、ご質問やご要望をたくさんいただきました。


「どうやって作ったの?」
「セラフォームの折り紙箱でガラスを焼成したの?」
「動画で紹介してほしい」・・・などなど

確かに写真を3枚添付してガラスのカードスタンドの写真2つと、もう1つの写真は折り紙で作った箱。
「リベンジ成功」なんて文字も入っててちょっと意味深なツイートになってしまったからかもしれません。

ガラスフュージング「カードスタンド」の作り方を解説します

今回、このカードスタンドを作ったのには、私自身に3つの課題がありました。

1.電気炉キルンキング160PKSで800℃以上の温度帯での焼成実験
2.切り残したガラス端材の有効な利用方法
3.離型紙で作った箱にガラスを詰めて焼成したらどうなるのか?

3番目の「離型紙で作った箱に・・・」は完全にネタ課題なのですが、800℃以上での焼成実験切り残した端材ガラスの有効利用には興味がある方も多いのではないでしょうか。

今回の記事内容を動画で解説しました

端材ガラスを細かくカットする

ガラスの端材

ガラスフュージングで制作しておりますといつの間にか溜まってしまているガラスの端材。

いわゆるガラスのミミやガラスカットした残りなどがジワジワ増えていき、「捨てるのはもったいないし、いつか使う時が来るだろう」と思っているうちに入れ物がパンパン。収拾がつかなくなってる方も多いのではないでしょうか。

ガラスカッターとガラスの端材
G-CAMで細かくカットする

今回は離型紙の箱の中に詰め込むので端材ガラスを「ガラスカッターG-CAM(ジーカム)」で細かくカットしていきます。
カットする大きさは均等でなくてOK。様々な大きさと形状でカットしました。

ガラスを詰め込む準備

離型紙で箱を作った

折り紙系のYouTubeを観てセラフォーム(離型紙)で箱を作りました。
ここに先ほど細かくカットしたガラスを詰め込んで焼成したいと思います。

 注意点 
ガラスを詰めてこのまま焼成すると、セラフォーム(離型紙)は粉状になるので崩れて間違いなくガラスが外に溶け出します。

堰き止め(囲い)を用意するセラフォーム(離型紙)箱の外側に耐火ブロックを囲むように配置してガラスの溶け出しを防ぐことにしました。

離型剤をスプレーする

棚板、下に敷くセラフォーム、耐火ブロック、セラフォーム箱、カード差し込み部分用のファイバーペーパー、ガラスが接触する(接触する可能性がある)部分にはすべてパーフェクトプライマー(離型剤)をスプレーしておきます。

ガラスを詰めていく

今回はクリアの板ガラス3枚を重ね底に置き、その上にカットしたガラスを詰め込むことにしました。

ファイバーペーパーを立てる

セラフォーム箱の底面に入れたクリアガラスの上からファイバーペーパーを差し込みました。
焼成時にぐらつかないようキツキツのサイズで差し込んで固定します。
焼成後これを抜くことによりカードスタンドの溝が出来上がるという作戦。

カットしたガラスを詰める

フュージング用ガラスを詰める

細かくカットしたガラスを両サイドに詰めていきます。
しっかり詰め込んだとしてもガラスとガラスの間に空間が出来てしまいますので焼成後は高さが低くなります。
その分を考えてかなり上の方までガラスを詰めました。

トップ温度850℃で焼成する

電気炉でガラス焼成

今回はガラスを完全に溶かし込んでしまいたいので、トップ温度は850℃に設定し30分キープすることにしました。

【今回のプログラミング】
1.490℃まで2時間で上げる
2.490℃で15分キープ
3.850℃まで1時間で上げる
4.850℃で30分キープ
5.530℃で30分キープ
6.490℃で20分キープ
7.350℃で30分キープ

パーフェクトプライマーの実力

焼成後は耐火ブロックにガラスが付着することもなく、セラフォームもきれいにはがれ、また差し込んだファイバーペーパーもスルっと抜けてくれました。

通常セラフォームを800℃以上で使用した場合、どうしてもガラスに食い込んでガラスが白くなてしまうことがあるのですが、今回セラフォーム箱の内側にもしっかりパーフェクトプライマーをスプレーしたので、ガラスのへの食い込みもなくガラス側面もツルっとしたきれいな仕上がりとなりました。

改めてパーフェクトプライマーの離型効果のスゴさには驚くばかりです。

ガラス研磨で仕上げよう

この時点でここまでキレイな形状で出来上がってるのは驚きではありのですが、やはりセラフォーム箱の折り込み部分の痕やガラス上面の凸凹感がちょっと気になります。

また溝の端っこの部分ガラスが行き渡らずちょっとガラスが足らない感じになってるのも残念なところ。

ガラス研磨

話題の「2インチ平面研磨ビット」で仕上げることにしました。
ガラスについた折り込み痕や表面の凸凹を削り平らにします。ガラスが足らなかった部分は斜めに削ってガラスの形状を変えてみました。

ガラスフュージングとフロスト加工

形状を整え、ある程度磨けたらサンドブラスト機で砂をあててマット調に仕上げます。

最初は鏡面磨きでピカピカのガラスにする予定だったのですが、カードスタンドの溝の部分を磨くのが難しくて断念。
そこで浮上したのがサンドブラストでのフロスト加工。今回は逆にこれで正解だったような気がします。

ガラスフュージングは楽しい

ガラスカードスタンド

今回は当初の課題、「電気炉キルンキング160PKSでの800℃以上での焼成実験」「端材ガラスの有効利用」「セラフォーム箱でガラス焼成できるか」の3つをクリアーするとともに、とても楽しくガラスフュージングをすることが出来ました。

セラフォームを折り紙で・・・なんていう一見おバカなチャレンジではありましたが、あらたな発見もあったりしてこれまで以上にガラスフュージングが楽しくなってきております。

皆さんもガラスフュージングで「今度あれやってみたいなぁ」「こうしたらどうなるだろう」なんて思うことが多々あると思います。
どんどんチャレンジしましょう。もし失敗したとしても新たな発見が必ずあるはず。もうワクワクが止まりませんね。

さぁ、一緒にガラスフュージングを楽しみましょう

人気記事 【初心者向け】ガラスフュージングの始め方|必要な道具と消耗品

人気記事 【フュージング裏技】100均シリコンゴムでガラスのドクロを作ってみた