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【驚きのガラスフュージング】ストリンガーと100均グッズでデザインガラスを作る

ガラスフュージング サンドブラスト

少し前、ツイッターにこんな投稿をいたしました。

以前フリーズガラスフュージングで作ったドクロに短くカットしたガラスストリンガーを詰め込んで焼成した男前ドクロなのですが、
この投稿をご覧いただいた方から

・ガラスストリンガーの使い方をもっと知りたい
・ストリンガーを使って色々やって欲しい

などご希望をいただきましたので、
今回はガラスストリンガーのちょっと面白い使い方に挑戦することにしました。

ストリンガーと100均グッズでデザインガラスを作る

ガラスストリンガーとは?
フュージング用の細い(直径1mmほど)のガラス棒で、主にフュージング作品の装飾として使うガラスです。

ストリンガーを並べてガラス板を作る

通常ガラスストリンガーはフュージング作品のアクセントにしたり、細いラインとして部分的に使われることが多いガラスなのですが、

それではちょっと面白くないなぁ・・・
と今回、私が思いついたのが
ストリンガーで板ガラスを作ってみようもちろん直径1mmほどの細いガラスなので、そのまま並べて焼成したらペラペラのガラスになってしまうだけです。

そこでクリアガラスの上にストリンガーを並べて焼成し、ガラス板にすることにしました。

クリアガラスにストリンガーを乗せる

ブルズアイ社製クリアガラス(テクタ)10cm角を用意して、上下にフュージングのりを塗り、その上にストリンガーを並べます。

フュージングのりをつけ過ぎないよう絵の具ようの筆を使ってみましたよ。

フュージングのりを塗ったクリアガラスにストリンガーを1本ずつ並べていきます。
オレンジの順番で繰り返しクリアガラスを埋めていく。

フュージング電気炉で焼成する

フュージングのりが乾いてストリンガーが固定されたら電気炉で焼成します。

今回設定したトップ温度は710℃。
僕の電気炉(キルンキング160PKS)だと設定より10℃ほど高い温度の仕上がりになるデータがあるので実際は720℃で焼成するイメージでした。

このように自分の電気炉の特性を知っておくのは失敗を減らすためにもかなり重要です。

カラフルガラス板の完成

ガラスの角は丸みを帯びストリンガーは溶け込んだ状態。
狙い通りいい感じのガラス板の出来上がりです。

これ以上温度が高ければガラスの形状が変わってしまうので、その直前で上手く止めることができました。

これをモールドに乗せてスランプさせればカラフルガラス皿の出来上がり
とする予定だったのですが・・・

今回のチャレンジを動画で解説

上から色を加えるガラスフュージング

思い通りの虹色ガラスが完成したものの

「このままの虹色ガラスで完成では面白くないな」
ネタ的にも何か物足りなさを感じ、ここから手を加えることにいたしました。

ステンシルを乗せてガラスパウダーで装飾

最初に思いついたのは、ステンシルを乗せてその上からガラスパウダーを振り装飾してやろうというもの。

① 「STAY HOME」というアルファベットのステンシルをガラスの上に乗せる
② 上から黒のガラスパウダーを振る
③ ステンシルを取ると黒いガラスに虹色の「STAY HOME」が浮かび上がる

確かに面白そうなのですが、ステンシル制作が面倒くさいな・・・

身近なものをステンシル替わりしてみようか

身近にあるものでステンシル替わりになるものはないかと思い家の中をゴソゴソしてみつけたのが

100均で売ってる水切りトレー
台所での洗い物をのせて乾かすためのトレーなのですが、この水切り部分がなんともまぁ素敵なデザイン性をもってるではないですか!
コイツを使ってやろう円形あり直線ありとなかなかいい感じのデザイン。
これを虹色ガラスの上に乗せてガラスパウダーを振ればいい感じのガラスが出来上がるに違いない。

偶然浮かび上がった最高のデザイン

水切りの部分を虹色ガラスの上に乗せ見てみたらなんだかイマイチ・・・
縦にしたり横向きにしたりしてみたもののいたって普通な感じで気分的にも全く上がらない。

もう水切りを使うのは半分諦めかけてふと水切りが斜めになった時、奇跡がおこりました。

むっちゃキレイ・・・目の錯覚っぽいところもありますが、虹色が斜めにニラニラとキレイな模様になっているではないですか。

これで間違いなしっとガラスパウダーを上から振ろうとした時、とんでもないことに気づきました。
逆だ・・・そうなんです。このままガラスパウダーを振ったら逆なのです。
水切りの隙間の部分が虹色にならないといけないのに、このままガラスパウダーを振ると真逆。

隙間の部分が黒になってしまいます。
つまり、円形や直線部分が虹色になり先ほど見えてた虹色のニラニラはなくなってしまうのです。

真っ黒ガラスを削って色を出す

そこで考えた作戦が・・・

一旦ガラスを真っ黒にし、そこから削って虹色を出す
つまり、虹色ガラスの全体に黒のガラスパウダーを振り焼成して真っ黒ガラスを作り、水切りを乗せてサンドブラストして虹色を出す作戦です。

ガラスパウダーを全体に振って焼成

ブルズアイ0100 Blackのガラスパウダーを虹色ガラス全体に振ります。
虹色の部分を覆いつくすように、また溶けた時に透けないよう少し厚めに振りました。

焼成トップ温度は700℃
元のガラスの形状は変えず、ガラスパウダーはしっかり溶かすイメージで焼成しました。

水切りを貼り付けてサンドブラスト

水切りをガムテープで虹色ガラスにしっかり貼り付けて(もちろん斜めになるように)サンドブラストします。

要するに、水切りをサンドブラストマスキングにしてガラスの黒色だけを削り、下の虹色を出してやろうとしたわけです。

サンドブラスト後はザラついた状態

サンドブラスト後、水切りを剥がすとキレイに模様が浮かび上がってくれました。
虹色のラインのニラニラ感も上手く出てくれてます。

しかし、このままではサンドブラストにより砂が当たった部分がザラザラした状態になっており、せっかくの虹色なのに全く光沢がありません。

もう一度電気炉へ・ファイアーポリッシュ

このザラザラ感をツルツルにするため、再度電気炉で焼成いたします。
ファイアーポリッシュという技法です。

電気炉でガラスを加熱し温度コントロールによりガラスの表面だけを溶かしガラスに光沢を出す技法です。

今回は690℃で10分キープにいたしました。

斬新なガラスプレートの完成です

ファイアーポリッシュも上手くできまして、とても斬新なデザインのガラスプレートが出来上がりました。

初めて見る人なら、まさか100均水切りトレーを使ってるなんて思いもしないのではないでしょうか。

今回はガラスストリンガーをガラス板にするところから、パウダーフュージング、サンドブラストと行き当たりばったり感は否めませんが、とても楽しいガラス制作ができました。

いつも使ってる技法にちょっとしたアイデアを加えるだけで、これまで作ったことのない仕上がりに・・・というのもガラスフュージングやサンドブラストの楽しさであると思います。

皆さんも固定概念にとらわれず、いろいろチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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