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【成功と失敗】100均珪藻土コースターでガラス器を作るという荒業

ガラスフュージング

これまで幾度となく100均グッズを使ったガラスフュージングに挑戦しては紹介させていただいているのですが(誰得案件)

最近では「100均グッズでガラスフュージングが面白くて・・・」なんて感想もいただくようになりテンション上がりまくってる情熱のガラス工芸材料屋「つぎやん」です。

変な使命感に目覚め、違う目的で100円ショップに行っても、ずっとガラスフュージングで使えるものはないかと探すようになっておりまして・・・。

そして今回もヤバイものを見つけてしまいました。
それは・・・

100均グッズ「珪藻土コースター」

100均珪藻土コースターでガラス器を作るという荒業

100均珪藻土グッズを使ったガラスフュージングはこれまでも何回か挑戦させていただいておりまして

ポットメルト技法やドレーピング技法で好結果!?をたたき出しております。

 参考記事 

今回は珪藻土コースター

今回見つけたのは珪藻土コースター。

表面には小洒落たエンボス加工が施してあり、コースターというより円形の彫刻物のような感じ。

これは使える
私には全くコースターとしての機能には全く興味が出ず、

「この上でガラスを溶かしたらこの模様のガラスが出来上がるんじゃね」

としか思うことが出来ません(かなりヤバイ感覚)。

今回の制作工程を動画で解説

エンボス加工のガラス器を作る

今回の作戦(最終的に失敗)1.珪藻土コースターの上でガラスを溶かし丸い板を作る
2.出来上がった丸板ガラスをモールドで曲げてお皿にする
3.エンボス状のガラス皿の完成

ガラスの端材を使いたい

今回使うのガラスは端材にしました。
ガラスのミミやカット後の残りなど「いつか使うだろう」と溜まってしまうガラス達。(ここで使わずどこで使うんだ!)

ガラスカッターG-CAMで細かくカットする

こんな時、大活躍するのがガラスカッターG-CAM(ジーカム)
丸い刃の間にガラスを挟んで握るだけでガジガジとガラスをカット出来る優れモノです。

今回は淡い色が特徴のフュージング用ガラス「ブルズアイティントシリーズ」と手元に余り気味のクリアガラスを使いました。

離型剤を塗る

焼成時にガラスがくっ付いてしまわないように、珪藻土コースターに離型剤を塗ります。
もちろん僕のお気に入り離型剤「パーフェクトプライマー」をスプレー。
特に今回はガラスを完全に溶かし込んでしまうので離型剤は多めに、2度塗りいたしました。

ファイバーペーパーで囲いを作りガラスを詰める

棚板にセラフォーム(離型紙)を敷いて、その上にコースターを置き、コースターの側面に4cm幅ほどにカットしたファイバーペーパーを1周巻き付けるようにします。
※ちなみにファイバーペーパーにも離型剤をスプレーしておくと、焼成後のガラスの側面がキレイに仕上がります。

この中に先ほどカットしたガラスを詰めていきます。
詰めるガラスの量が少ないと、出来上がったガラスに穴が開いてしまう恐れがあるので多い目に投入。

電気炉でトップ温度820℃で焼成

ガラスを完全に溶かして珪藻土コースターのエンボス状をガラスで再現しないといけないので、設定したトップ温度は820℃
フルフュージングの温度より少し高めで完全に溶かし、ガラスに模様をしっかりつけるイメージで設定いたしました。

予想外の出来上がりに落胆。からの・・・

トップ温度でガラスの状態を確認した時、思わず声が出てしまった

しまった、珪藻土が縮んでる・・・
そうなのである。
これまで何度も珪藻土グッズでガラスを焼成してきてわかった事。

焼成すると珪藻土は縮む (知ってた・・・)

今回も例外ではない。珪藻土コースターが一回り縮んでいる。

縮んだことにより起こったこと珪藻土コースターは縮んだのに対し、外側のファイバーペーパーはそのまま。
これによって外周とコースターの間に5mmほどの隙間が出来てしまったのである。

つまり、溶けたガラスがその隙間に入り込み、珪藻土コースターを溶けたガラスが包み込む形となってしまったのだ。

丸い板ガラス制作大作戦は早くも失敗した。トホホ・・・

出来上がった失敗ガラスは成功の元?

しっかり冷まし、落胆の面持ちで電気炉からガラスを取り出して、ガラスの中に食い込んだ珪藻土コースターを取り除いた時、そこに出来上がったガラス。

すでにガラス器になっていた

すでに器になってる

そうなのである。珪藻土コースターがハマっていた部分がすでにガラスの器を作り出していたのである。

これはイケる。

離型剤が少し足らず珪藻土がガラスにこびり付いたり、ガラスが溶けた時に大きい気泡が破裂して痕が残ったりと、最初のチャレンジは大成功とはいえないものの明るい兆しが見えてきた。

気泡との闘い

その後、チャレンジを続けたのだが(結局売り場の珪藻土コースターを全部買ってしまう暴挙に・・・)、毎回毎回トップ温度で大きい気泡が出来ては破裂しを繰り返し焼成後のガラスにはことごとく痕が残った。

どうしても泡が上に上がる際に離型剤を引き連れてしまいその離型剤の痕が残ってしまうのだ。

温度を早く上げすぎでは?
などとも考え、焼成プログラムでトップ温度まで上がる時間の調整なども繰り返したものの改善はみられず。気泡なんて大嫌い・・・

幾度となく現れるデカイ気泡

大きい気泡の原因は?

何度やっても出来てしまう大きな気泡。
最終的にたどり着いた答えは

珪藻土が縮んで出来た隙間にガラスが流れ込むことにより空気の逃げ道が無くなったから
要するに、珪藻土の外側をガラスが流れて埋めてしまったことにより、中の空気を閉じ込めてしまうことになったのである。

現段階ではその解決方法は見つかってない(必ずリベンジしてやる!)

仕方なくその中でも割と気泡痕がマシな物を使ってガラス器をひとまず完成させることにした。

プレスガラスのようなガラス器の完成(リベンジ案件)

無理やりではあるが気泡痕の少ないガラスを完成まで導くことにしました。
(失敗も含めYouTube動画にしたかったので・・・)

サンドブラストでマット調に

ど真ん中にある気泡痕が少しでも目立たなくなるようにしたかったので、サンドブラストをあててマット調に仕上げることにしました。

これでかなり目立たなくなり、見る角度によっては全く気泡痕が見えないという手品のような状態まで作り出すことが・・・(笑)

失敗?そして成功?やっぱり失敗・・・

今回の100均珪藻土コースターでガラスフュージングは当初の目的からすると大失敗。

でも予定していたものより良い形状になってくれて大成功からの・・・
気泡問題が解決できずに大失敗・・・

というジェットコースターのように失敗と成功がやってくるガラスフュージングとなりました。

温度コントロールで解決できるだろうか・・・
上昇スピードでコントロールしたらどうだろう・・・
ガラスの量で調節してみようか・・・
サンドブラストで目立たなくしてみよう・・・

などなど本当に次から次へといろんな考えがぐるぐる回るめぐり、ガラスフュージングの難しさと楽しさを改めて実感することが出来ました。

まぁ今回はリベンジ案件ということで、いつかきっと大成功を成し遂げたいと思っております。

やっぱりガラスは楽しい・・・。

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