ロゴ

ガラスフュージング用電気炉で焼き芋してみる|電気炉って怖くないんだよ

ガラスフュージング

ガラスフュージングでは必ず必要になってくる電気炉。

ガラスを曲げたり溶かしたりする温度となると600~800℃とにもなるし、初めて使う時にはハラハラドキドキ。
人によっては電気炉を使うことが少し怖く感じることもあるようです。

温度調節ができてその温度で設定した時間その温度をキープできて・・・

となると・・・
家庭で使用する調理用のオーブンと同じ感じじゃね?
そうなんです。実はガラスフュージングの電気炉って高火力のオーブンそのものなんです。

というわけで今回はそんな怖いなぁなんて感じてる方にガラスフュージング用の電気炉をより身近に感じてもらえるのではないかと思い、なんと焼き芋に挑戦してみました。

今回の内容を動画でどうぞ

フュージング電気炉で焼き芋は出来るのか?

写真:左 160PKS 右 スーパープチ

今回使用する電気炉は、初心者の方が初めて購入する電気炉として人気の2台にしてみましたよ。

・キルンキング160PKS
私自身も愛用している初心者の方でも小さなパーツからお皿まで制作できる小型の電気炉。

・スーパープチ
ガラスフュージングが出来る最少サイズで七宝焼きやアートクレイシルバーなどで人気の電気炉。

はたしてこれらの電気炉で焼き芋は成功するのだろうか・・・

まずは炉内の掃除をしよう

最初にすることはもちろん電気炉内の掃除です。
(この炉内の掃除はとても重要なことなのでこのブログの最後で詳しくお話します)

日頃ガラスを焼成しているので離型紙が粉体になったものやガラスの破片、炉材のこぼれやニクロム(熱源)のサビなど電気炉の中には結構こぼれております。

掃除機などでキレイにしてあげましょう。(もちろん電気炉は冷めた状態で掃除してね)

そして棚板にアルミホイルを敷きます。安納芋は蜜が外に溢れたりするらしいので念のために敷いておきました。

焼き芋レシピは通常のオーブンと一緒で挑戦

今回使用する電気炉はいずれも炉内が狭い電気炉。

一般的なサツマイモだと炉内からはみ出してしまう恐れがあるので、小ぶりの安納芋を使うことにしました。
(サツマイモを切れば入るんだけど、安納芋の甘さが好きなんすよね)

電気炉に入りそうな小ぶりの安納芋を近所のスーパーでゲット。4個入りで198円だったけど安くね?

焼き芋の美味しい焼き方をググってみたら出てくる出てくる・・・

逆にどのレシピがいいのかわからなくなってきたので、なんとなく一番分かりやすそうなレシピにしてみましたよ。

1.安納芋のドロ汚れを取る
泥などが付いた状態なので軽く水洗いをいたします。皮を傷つけないようにそーっと洗うのが大事みたい。
この後、安納芋は拭取らず水気を残したままにしておく。


2.アルミホイルで包む
安納芋の皮に水気を残したままアルミホイルで包みます。安納芋が乾いていたら水分を足すとよいらしい。


3.そのまま電気炉で200℃にあげて1時間キープ
電気炉のプログラムを200℃まで一気に上げて1時間キープでセット。
スーパープチの場合は1時間のキープ設定ができないので、200℃到達時から自分でタイマーなどで計ってね。


4.30分ほどそのまま蒸らす
200℃で1時間キープが終了したらそのまま電気炉の蓋を閉めた状態で30分ほど蒸らします。
(どうやらこれが結構重要らしい・・・)
ま、電気炉の温度が100℃くらいになるまででちょうどいいくらいだと思います。

フュージング電気炉焼き芋は上手くできたのか

さて電気炉が100℃ほどになったので熱々で安納芋をとりだしましてアルミホイルを取ってみたら・・・

やばい。蜜が外まで溢れておるではないかい!!

いやこれ最高でしょう。

割ってみたら中身はしっとりと黄金色。そして・・・

甘ぁぁぁぁぁい

めっちゃ美味しい!最高の出来でございました。

安納芋ってこんなに甘いんですね。ケーキ屋さんのスイートポテトよりすでに甘いくらいでございました。

キルンキング160PKSとスーパープチでの違い

写真:左の焼き芋160PKS   右の焼き芋スーパープチ

さてここで一つ注目すべき点がありました。

そうなんです。キルンキング160PKSとスーパープチで全く同じ200℃1時間キープで焼き芋したんですけど、焼け具合が違ったんです。

キルンキング160PKSの方はこれ以上は無いであろうなしっとり感と黄金色だったのですが、スーパープチの方は少しパサついた感じ。黄金色というよりは少しうすく白みがかった感じになってます。

つまりちょっと焼き過ぎた感がでておりました。
ここで考えられること・・・ここであらためて安納芋を各電気炉にセットした状態をみてみましょう。

気付きましたでしょうか。
熱源の近さ写真では少しわかりにくいですがキルンキング160PKSは安納芋と電気炉熱源までに距離があり、スーパープチは炉内が狭いため熱源(スーパープチは炉内の壁上下左右に埋め込まれてます)が安納芋とめっちゃ近い。

この安納芋と熱源の近さが焼け具合に違いをもたらせたようです。
つまりスーパープチは熱源が近いのでよく焼けてしまったということなんです。

なのでスーパープチの場合200℃を170℃にするとか、200℃で焼くとしてもキープ時間を1時間から30分や40分にするなどの工夫が必要なようです。

これガラスでも同じじゃね?

ということは普段のガラスフュージング、ガラスを曲げたり溶かしたりでも同じ現象が起こるということでは?

そうなんです。ガラス焼成時でもまったく同じことが言えるんです。

熱源が近いとやはり早めに溶け始めたり、同じキープ時間でもよく溶けたりすることが起こります。

つまり技法書など紹介されてるプログラムどおりにやったのによく溶けてしまってるなんてことが起こるのはこれが原因であることもあるんです。

電気炉によって焼成具合が変わるというのはこういうことも要因の一つなんですね。

やはり自分が使用する電気炉の特性というのは何を焼くにしても!?知っておく必要がありますね。

もう一つの大事な事

さて今回の「ガラスフュージング用電気炉で焼き芋してみる」いかがでしたでしょうか。

「高火力のオーブンなんだよ」ということがお判りいただけたかと思います。

また少しは怖さもとれてより身近に感じていただくことができたのではないでしょうか。

今回の内容をSNSやYouTubeで公開したら、早くもたくさんの方が電気炉焼き芋に挑戦されてました。
みなさん美味しそうな焼き芋が出来上がってましたよ。

もちろん実際焼き芋をやってみた皆さんも電気炉で食べ物を扱うということで焼く前に炉内の掃除は念入りにされたかと思います。

でもね。本当は焼き芋だから炉内をキレイにするのではありません。

ガラス焼成時も終了後は毎回炉内をキレイにしましょうね。

離型紙の粉、炉材、錆、ガラス片など炉内には結構落ちてたりします。
食べ物を焼くとなると自然にそれが気になり掃除をすると思うのですが、ガラス作品を作る時も同じなんです。

キレイにしておかないと作品にサビや炉材のかけらが乗ったり、ガラス片が作品にくっ付いちゃったり、また電気炉の蓋を閉める時に離型紙の粉が舞い上がってガラスの上に乗っかっちゃたり・・・

恐ろしい話ですよね。食べ物だから食べ物じゃないからではないんですよね。

電気炉内はいつもキレイに!素敵なガラスを作りましょうね。

2024年2月リニューアル
フルプログラムコントローラー付属「キルンキング160NF」



人気記事 【初心者向け】ガラスフュージングの始め方|必要な道具と消耗品

人気記事 【フュージング裏技】100均シリコンゴムでガラスのドクロを作ってみた