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【ガラスフュージングの超基本】“6mmルール”って何?失敗しないために知っておきたい大事な話

ガラスフュージング

皆さんガラスフュージング楽しんでますか?

今回は、ガラスフュージングに関わるすべての人に届けたい大事なテーマです。
「せっかくガラスをキレイに切ったのにサイズが変わっちゃった…」
「なんでか分からないけどパーツが離れちゃった…」
「隣のガラスがくっついて変なカタチになっちゃった…」

はい。これ、全部“あるある”なんです。

でも、実はたったひとつの「法則」を知っておくだけで、こうしたトラブルは一気に解決できます。その法則とは…

「6mmルール」って聞いたことありますか?

これが本日のテーマ。「6mmルール」

ガラスフュージングにおいて、“フルフューズ”という状態にすると、ガラスは自然と「厚み6mm」になろうとするんです。

言い換えると、どんな形のガラスも、熱を加えてドロドロになった時に、自ら6mmという厚みに整おうとする。これが「6mmルール」です。

もう少し具体的に見ていきましょう。

失敗例その1:サイズが縮んだ!or 大きくなった!

たとえば、3mm厚1cm角サイズのガラスを、このままフルフューズ(高温でしっかり溶かす工程)すると…どうなると思いますか?

そう、ガラスは6mmになろうとして縮んじゃうんです。
高さを出すために、面積がギュッと縮まるんですね。

そして縮むということは、隣同士のガラスがこの距離でもくっ付いちゃうことはないんです。

逆に、6mmよりも厚いガラスを使った場合。
これも同じくフルフューズすると、ガラスは必ず広がります

3mm×5枚(15mm)は溶けて広がり6mm厚に…

つまり、元のガラスの厚みと、焼成後のサイズ変化は密接に関係しているということ!

焼成前のガラスが6mmより厚いのか薄いのか…
ここを意識するかしないかで、思った通りの焼成になるのか失敗焼成となってしまうのかが決まると言ってもいいでしょう。

失敗例その2:隣のパーツがくっついちゃった!

始めて間もないころよくやっちゃうヤツ

棚板の上にパーツを並べて焼成したら…
「うわ、隣同士のガラスがくっついちゃってる…!」

これも6mmルールを知らなかったがゆえの失敗。

ガラスが6mmより高いと広がる(隣同士この距離ではダメ)

要するに、焼成前の状態が6mm以上の厚みだったため、焼成中に広がって接触してしまったんですね。元のガラスサイズと同じサイズで焼成するには(フルフューズの場合)

3mm厚のベースガラスに3mm厚のクリアカバーガラス(合計6mm厚)

逆に、たとえば3mmの板ガラス+3mmのカバーガラス。合計6mmになりますよね?
こういう組み合わせは、焼成しても最初にカットしたサイズのまま、キレイに保たれやすい。
3mm+3mm=6mmは理にかなってるんです。

元々6mm厚だったので焼成後もほぼ元サイズで焼成できる

失敗例その3:パーツを並べたのに1枚にまとまらない!

3mm厚のガラスを4枚並べて焼成

例えば3mmのガラスを4つ並べて、四角い板にしようと思ったのに…
「焼いてみたら、くっ付かずに隙間ができちゃってる!?」

これも、まさに6mmルールの影響。

3mmのガラスは焼くと6mmになろうとして縮むわけです。
だから、最初にぴったり並べても、焼成中にそれぞれが縮んで、隙間ができてしまう。
結果、1枚の板にならないんですね。

じゃあ、「高さのある作品」や「薄い作品」はどう作るの?

「ガラスって全部6mmになっちゃうなら、高さのある作品は作れないの?」
という声、聞こえてきそうですね。

大丈夫。“止めればいい”んです

耐火物で囲ってガラスが6mmになろうとして流れないようにする
高さのあるガラス制作例

たとえば分厚いガラスの塊を作りたい時。
そのままフルフューズすると広がって6mmになっちゃうから、それを型や耐火物の堰き止めで囲ってあげる
そうすることで、ガラスが広がるのを防いで、狙った厚み・高さを保てます。

もう一つは、ガラスが6mm厚になろうとする前の温度帯で止める
タックフューズの温度帯を使うということですね。

フルフューズの状態で6mmになろうとするんだから、フルフューズになる前の温度帯で溶着だけすれば、高さを保ったままのガラスを作ることが出来ます。

高さのあるタックフュージング例

逆に、薄い板をキープしたい場合は?これもポイントは「温度」と「押さえつける力」です。

  • 温度をフルフューズより低めに設定する(ガラスが6mmになろうとする前に止める)
  • 上に棚板やオモリを乗せてガラスをプレスする (6mmになろうとするのを止める)

これで、ガラスが広がるのを防ぎ、薄さをキープできます。

6mmルールを味方にしよう!

つまり、6mmルールって「ガラスが勝手に6mmになっちゃうから困る」っていう話じゃないんです。

この法則をちゃんと理解しておけば、逆にガラスを思い通りにコントロールできる!

  • ガラスサイズを変えずに仕上げたいなら、最初から6mmに。
  • 広がるのを防ぎたいなら、型や耐火物でガード。またはフルフューズまで温度を上げない
  • 薄い作品を作りたいなら、温度と圧力で調整。またはフルフューズまで温度を上げない

全部、6mmルールで考えればスッキリ解決です。

まとめ:ガラスの気持ちを考えよう!

ガラスって、とっても素直な素材なんですよね。

高温になればなるほどトロトロになって、表面張力の力で自然に形を整えようとする。
その「整えた形」が6mmの厚さなんです。

だからこそ、私たちはその“ガラスの本能”を理解して、付き合っていく必要があるんです。

最後に

というわけで今回は、ガラスフュージングにおいてとても大切な「6mmルール」についてお話ししました。

このルールを知っておくだけで、
・思い通りのサイズ
・デザインが崩れない
・無駄のない制作

すべてがグッと現実的になります。

この6mmルールを意識するしないで、あなたのガラスフュージング作品は良くも悪くもなってしまうんです。

さぁ6mmルールお分かりいただけましたか?
もういつまでも「私、初心者なんで…」なんて言わせません。
ガラスフュージング初心者卒業!!おめでとうございます!!

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