【ガラスフュージング】ガラスフリットを焼成温度で見比べてみました。
ガラスフュージングでガラスの装飾などで使用するガラスフリット。
ガラスを小さい粒状にしたものなのですが、粒を残して溶着させたり、完全にベースガラスに溶かし込んだり、焼成温度を変えることによって色々な表現ができるフュージング用のガラスです。
今回は、この度グラクラマーケットにて50gで販売を開始いたしましたBULLSEYE(ブルズアイ)社製ガラスフリット「ペタルピンク」「サーモンピンク」「ネオラベンダー」の3種類をガラスの上に乗せて焼成テストしてみました。
ガラスフリットを焼成温度で見比べてみました。
ブルズアイガラスフリットとはガラスフュージング用(膨張係数90)のガラス粒で粒の大きさで3種類に分けられます。
・粗フリット(Coarse Frit)
約3mm~5mmサイズの大きいザラメ状のガラス
・中フリット(Medium Frit)
約1mm~3mmサイズのザラメ状のガラス
・細フリット(Fine Frit)
約0.2mm~1mmサイズのグラニュー糖状のガラス
※0.2mm以下のものがガラスパウダー
この中で今回使用するのは「中フリット」。
グラクラマーケットでも販売させていただいてる、ガラスアクセサリー制作などにも使いやすいサイズのガラスフリットです。
焼成テストする3色のガラスフリット
0421 ペタルピンク(不透明)
薄いピンクのガラス粒で焼成後も色はほぼ変わりません。
0305 サーモンピンク(不透明)
ストライカー(焼成により色が変わる)ガラスで焼成後はオレンジに近いピンクになります。
1442 ネオラベンダー(透明)
シフト(あたる光源により見え方が変わる)ガラスで、紫や青、水色、ピンクなど光によって見え方が変わる。
気を付けないといけないのは、「0305 サーモンピンク」。
焼成することによってサーモンピンクに変色するガラスです。
焼成前は透明系のクリーム色のような色合いなので、初めてだと少し驚くかもしれません。
今回の実験を動画にしました
3パターンの温度でガラスフリットを焼成する
今回は、ガラスフリットを焼成する場合に使われやすいトップ温度3パターンで焼成実験してみました。
1. 720℃:ガラスは溶着されるものの粒の形状は残る温度
2. 740℃:ベースガラスに少し溶け込む温度(粒が半分溶け込む)
3. 780℃:ガラス粒が完全に溶け込む温度
クリアとホワイトのベースガラスに乗せて焼成
ベースガラスとしてガラスフリットと同じブルズアイ社製のフュージング用板ガラスを使用します。
透明系の「1101クリア」と不透明系の「0113ホワイト」 板ガラスの上部にガラスフリットを重ねて置き、下部はガラスフリットをバラバラに 置いて先ほどの各トップ温度で焼成して焼成具合を見てみました。
720℃:ガラス粒の形状は残した焼成
ガラスのツブツブ感は立体的に残っています。
それでありながらガラス粒自体は丸みを帯びているため、ガラスフリット元々の尖った感じが消えてかわいらしい印象になりました。
ガラスアクセサリーの装飾としても使えそうです。
740℃:ガラスフリットが半分溶け込む焼成
ガラスに溶け込んだように見えるものの、手で触れると凸凹感が残っている。
ガラスフリットが溶け込む過程で面積が広がり、粒サイズも大きくなっている。
木々や植物の花や花びらなどを表現したいときに使えそうな印象。
780℃:ガラスフリットを完全に溶け込ませる焼成
ガラス粒感もなくなりベースガラスに溶け込んだ状態。表面もツルっとしてフラットな状態です。
ガラスプレートなどの装飾にも使え、この状態からもう一度ガラスフリットを乗せて先の720℃や740℃で焼成することにより、1枚のガラスプレートの上で立体感を表現することも出来そう。
この3色フリットでガラスの器を作ってみました
【作り方】つぶつぶガラスの器を作る。100均「珪藻土たまご」でフュージング
ガラスフュージング「ドレーピング技法」でのガラス器の作り方を記事にしました。100均ダイソー「珪藻土たまご型」をモールドにしてガラスを曲げてガラス器を作ります。ガラスフリットのつぶ感を残すガラスフュージングの焼成温度やガラスの熱割れを防ぐ焼成方法をなども解説いたしました。
焼成温度で表現方法を変える楽しみ
ガラスフリットは今回のように、焼成温度を変えるだけで様々な表情を見せてくれます。
・ガラスアクセサリー制作のワンポイントで使う。
・ガラス板の上に凸凹感を出すために使う。
・ガラスフリットだけでお皿や器を作る。
など考えているだけでもワクワクします。
また、焼成温度をコントロールすることで出来上がる形状を自由にできれば、出来上がる作品の可能性もグングン広がること間違いなしです。
これまでガラスフリットを使ってなかった人もガラスフュージング作品の中に取り入れてみてはいかがでしょうか。
ガラスフュージングを楽しみましょう。
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