ガラスに塗装をしない表札の作り方【サンドブラストとフュージング】
ガラスに塗装をしない表札の作り方【サンドブラストとフュージング】
一昔前は石や木に名前が彫ってあり白や黒で着色されていた表札。現在ではガラスやアイアン、陶器やアクリルなど種類も増えデザインや材質とも多種多様化した表札を目にすることも多くなりました。
ガラス表札もかなり普及しており、ガラスにサンドブラストで名前を彫り塗装したものを見る機会も増えてることかと思います。
ガラスの塗装にはどんな塗料を使うのか
ガラス専用の塗料というのは残念ながらありません。クラフト系のガラス用絵の具みたいなものはあるのですが、ガラス表札のように屋外で使用するものには適したものではありません。
中にはラッカーやペンキをガラス表札に使用しているものを見ることがありますが、その塗装は丈夫ではなく数か月で劣化したり、下手すれば1週間も経たないうちに色剥がれなど起こす場合があります。
なのでガラス表札のように外で使用するガラスへの着色には焼付用の塗料を使うのが一般的です。
ただし、高温焼付の塗料となると高価になり、また少量で購入することが難しく色のバリエーションもどうしても少なくなってしまいます。
そこで今回は、
塗装せずガラス表札を作る方法を紹介いたします
サンドブラストとガラスフュージングで作るガラス表札
ガラスにサンドブラストして焼付塗装する方法も電気炉を使ってガラスを溶着させるわけですからガラスフュージングといってもいいかもしれませんが、今回紹介するのは、
ガラスフュージングで合わせたガラスをサンドブラストで彫り、下の色を出す方法
先の彫ってから色を入れる方法とは逆の考え方です。
2色のガラスを重ねて焼成する
フュージング用色ガラス「BULLSEYE 0113 White」と「BULLSEYE 0203 Woodland Brown」の2枚を重ねて焼成して1枚で2層のガラスを作ります。
このように焼成すると下が茶色、上が白色の板ガラスが完成。
この白色のガラスをサンドブラストで彫れば下の茶色がむき出しになります。
つまり、表からショップロゴをサンドブラストで彫れば白地に茶色のショップロゴのガラス表札になるのです。
サンドブラストマスクを貼り付けガラスを彫る
グラクラマーケットのショップロゴのサンドブラストマスクを貼り付けます。
緑のシートは「イージーレジスト」ショップロゴはカッティングプロッター(ローランドSV-8)でカットいたしました。
イージーレジストA4サイズ 20枚セット
サンドブラスト用マスキングシート。耐圧性、耐久性に優れたレジストシートです。A4サイズ(210×297mm) 20枚セット 厚み0.125mm★サンドブラスト用レジストシートのA4サイズ20枚入りです…
デザインカッターSTIKA(ステカ)SV-8
サンドブラストマスクシートを自動でカット。サンドブラスト工房必需品です。付属の専用ソフト「CutStudio」で細かな文字やデザイン、図形なども簡単カッティング。●出荷まで最短3営業日(土日祝を除く)…
塗装しないガラス表札制作方法を動画で解説いたしました
白いガラスは2mmの厚みがあるので、下地の茶色いガラスが出てくるまで結構彫らないといけません。
サンドブラストマスクが摩擦熱で溶けてしまわないように研磨剤を一点集中にならないよう上手く分散させながら彫っていくのがコツです。
下地の茶色が出てきました。かなり深く彫れてるのがわかります。シートのダメージに注意しながら残りの白色ガラスを吹き飛ばしていきます。
彫り終わった後、下地の茶色はキレイに出てるのですが、研磨砂で削っているので茶色が擦れたまま白っぽくザラついた感じになります。
このままではみすぼらしい表札です。
ファイアーポリッシュでガラスに光沢を出す
ファイアーポリッシュとは今回のようにサンドブラストで擦れたガラスや研磨後のくすんだガラスなどを電気炉でもう一度焼成することによりガラスに光沢を出す技法。
つまり、電気炉でガラスの表面だけ溶ける温度で焼成してガラスの溶けた光沢を出すという方法です。
また、あくまで光沢を出すのが目的で、ガラスの形状は変えたくないのでトップ温度の設定はかなり慎重に行います。
もちろん高温(750℃以上)になるとガラスの形状自体が変わってきてしまいますので今回はトップ温度を700℃に設定し焼成いたしました。
この方法なら色の組合せは無制限
今回のガラスフュージングで2色合わせたガラスをサンドブラストで彫る方法であれば、使える色はフュージング用ガラスの組合せ次第で数えきれないほどのパターンが出来ます。
今回はガラス表札として紹介いたしましたが、大きなガラス作品からガラスフュージングアクセサリーなどにも十分使える技なので作品のバリエーションも広がること間違いなしです。
サンドブラストの良いところとガラスフュージングの良いところを合体させたこの技法、挑戦してみてはいかがでしょうか。
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