【フュージング裏技】100均シリコンゴムでガラスのドクロを作ってみた
ガラスフュージングをやっておりますと、どんどんガラスに魅了されあらゆる技法に挑戦したくなってくるものです。
私自身もそんな皆さんに少しでもガラスフュージングを楽しんでもらえるよう、時には邪道とも言われちゃいそうな技法などもこれまで何度か紹介させていただきました。
今回も100均セリアの型取り用シリコンゴムを使って型取りし、そこに水分を含んだガラスパウダーを詰めて凍らせて焼成するという「フリーズガラスフュージング」というちょっと通常とは一風変わったガラスフュージングを紹介します。
100均シリコンゴムでガラスのドクロを作ってみた
これまでも100均グッズを使ってガラスフュージングに挑戦してきましたが、今回はセリアで見つけたドクロのペン立てと型取り用シリコンゴムを使ってドクロ型のガラスを作りたいと思います。
型取り用シリコンゴムで型取りする
100円ショップ「セリア」のレジンクラフト用のコーナーに陳列されてる「型取り用シリコンゴム」。
黄色と白色の柔らかい粘土状の物を混ぜ合わせることによって硬化し、シリコン型として使用できるというものです。
原型は何を使ってもよいのですが、今回は同じくセリアで販売されてた「ドクロ型のペン立て」を型取りします。※これを選んだセンス(笑)
幅4cm、高さ4cmほどのドクロ型ペン立てなのですが、これを型取りするとなると型取り用シリコンゴムは2~3パック必要になります。
今回は余裕を見て3パック使用することにしました。
今回すべての工程を動画で公開
シリコンの黄色と白を混ぜ合わせる
まずは3パックとも開封して黄色と白で分け、シリコンを一気に混ぜ合わせます。
この時色ムラが出来ないようにしっかりと混ぜていきましょう。混ぜ方が足りないとうまく硬化しない場合があります。
混ざったらすぐに型取りします。混ぜ合わせだしてから4分ほどで硬化が始まるので手早く型取りしましょう。
今回のように原型に穴や細かい部分がある場合は、しっかりと押込むようにしてなるべく余計な空気が入らないように型取りしてください。
しっかりと包み込めたらそのまま30分ほど放置して硬化を待ちます。
30分後、シリコンの硬化を確認したらゆっくりと原型からシリコンを外していきます。
ガラスパウダーに水を含ませる
使用するガラスパウダーを容器に取り出し、そこに水を注ぎます。
水の量は適当でOK。軽くかき混ぜてそのまま10分ほど放置してください。
10分後、ガラスパウダーが沈殿するので上澄みだけ取り除きます。
水分を含んだシャリシャリのガラスパウダーになってればOKです。
シリコン型に詰め込んでいく
水分を含んだシャリシャリ状のガラスパウダーをシリコン型に詰め込んでいきます。
詰め込む途中で水が表面に浮いてきますのでティッシュ等で吸い取ります。
この時、水分を取りながらガラスパウダーをシリコン型に押し込むようにするのがコツです。
水分を取る、押込むを何度が繰り返しながらシリコン型の上部までガラスパウダーを詰め込みます。
冷凍庫で5時間以上凍らせる
詰め込み終わったらそのまま冷凍庫で凍らせます。
数時間で凍るのですが、確実に凍らせるため最低5時間は凍らせましょう。
前の晩に冷凍庫に入れて翌日取り出してもOKです。
手早くシリコン型から外す
ガラスパウダーは凍ってるとはいえ徐々に溶けてきますので、シリコン型から外す時は素早く外すようにしてください。
凍ったまま電気炉で焼成する技法
フリーズガラスフュージングとは読んで字の如く、凍らせて焼成する技法。
凍ったままのガラスパウダーを直接電気炉に入れてガラスパウダーを溶着させてしまいます。
つまりこのままの形状を保ったままガラスの塊にしちゃうわけです。
温度コントロールが重要
フリーズガラスフュージングでの温度コントロールは通常のガラスフュージングとは少し変わったところがあります。
今回使った焼成プログラム
200℃でキープを入れる
通常のガラスフュージングではあまりすることはないのですが、フリーズガラスフュージングでは200℃で一度キープ時間を設けます。
※今回は10分キープにしました
正確にはわかりませんが、200℃でキープを入れることによって、ガラスパウダーに含まれる水分を完全になくしてしまおうということだと思われます。
トップ温度での目視は必要
200℃でキープするところ以外は、通常のガラスフュージングと同じ考え方でいいのですが、トップ温度でガラスの形状の目視はした方が良いかもしれません。
平たい物などはそれほどシビアに考える必要はありませんが、今回のように立体物の場合、敵になるのは重力。
どうしてもガラスが溶けてくると重力によってガラスの形状が縦に沈んできます。それを極力少なくするために、トップ温度でキープ中に溶け具合を確認して
重力で沈む前にストップさせるのが良いかと思います。
徐冷をしっかり行いガラスを冷ます
今回はガラス自体に高さもあり、ペン立て用の穴や形状が複雑なため、徐冷も慎重に行いました。
今回は530℃で1時間、490℃で30分キープ
ガラスのドクロ完成
しかっりと冷ましてガラスのドクロが完成しました。
黄色のドクロはトップ温度が高かったため少し重力で沈んだ感じ。
青のドクロは黄色ドクロ制作時の反省を踏まえて、トップ温度を低くしたのでほぼ沈まずに完成。
正直ここまで細かい部分が再現できるとは思ってもいませんでした。
型取り時点でもっと慎重にシリコンを扱っていればもっと精度の高いガラスにできたと思います。
フリーズガラスフュージングの注意点
「フリーズガラスフュージング」いかがでしたでしょうか。
通常とは少し違った技法ではありますがとても楽しいガラスフュージング技法だと思います。
ただし、フリーズガラスフュージングには注意点がいくつかあります。
原型よりガラスが小さくなるガラスパウダーを詰めて焼成するといってもパートドヴェールとは違い、ガラスを詰め込んだ石膏型ごと焼成するわけではないので、出来上がりのサイズが縮んで原型より小さくなります。
透明系のガラスパウダーは見栄えが悪くなる正式な理由はわからないのですが、フリーズフュージングで透明系のガラスパウダーを使用した場合、ガラスの発色が悪くなります。
使用するガラスパウダーは不透明系にしましょう。
以上フリーズガラスフュージングいかがでしたでしょうか。
誰でも簡単に出来る技法なので、ガラスフュージング初心者の方でも十分楽しめます。
もちろん市販のシリコン型でも同様の事ができますので、レジンクラフト用のシリコン型などを使えばもっと簡単に楽しむことも出来ます。
いろんな形のガラスをいっぱい焼いてみてはいかがでしょうか。
さぁ、ガラスフュージングを楽しみましょう。
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