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フュージング電気炉でガラスをねじりたい!電動ドリルならどうよ?

ガラスフュージング

僕自身、以前からガラスフュージングでやってみたいことがありました。

ガラスをねじりたい・・・

吹きガラスであったりバーナーワークなどいわゆるホットワークというジャンルではガラスを細長くねじってガラスロッドを作るというのはあるのですが、ガラスフュージングでは溶けたガラスを加工するということが物理的に難しいため「ガラスをねじって棒にする」というのは最難関も最難関。

どうにかしてガラスをねじることはできないか
と思っていたのですが、ふと「ひょっとしたら・・・」なんて案が浮かんできました。

というわけで今回はフュージング電気炉でガラスをねじってガラスロッドを作ってみた模様を紹介したいと思います。

今回記事の内容を動画で解説

電気炉内でガラスをどうねじる?

さて、電気炉内でガラスをねじるためにはどうすれば良いか。
もちろん冷たいガラスをねじることはできないので、ガラス自体が柔らかくなる温度帯である必要があります。

電気炉内で形状を変えることができる温度はどれくらいか。

600℃台後半あたりからガラスを柔らかくなり始めるのですが、700℃台前半はガラスの形状はあまり変わらずガラス同士がくっ付く温度帯、そこから徐々にガラスの角が丸くなってきて700℃台後半で表面張力で丸くなってる・・・。

となると最低でもガラス自身が丸くなろうと形状が変わる温度帯である必要がありそうですね。
そこで僕が選んだ温度は800℃800℃だとガラスはある程度柔らかくなり、ガラス自体も表面張力で丸くなる温度。
これであれば力を加えてガラスを変形させることはできそうですよね。

中には温度を上げれるだけ上げてより柔らかくした方が良いのでは?
なんて方もおられると思います。
最初は僕もそう考えたのですが実はそれでは結果的にキレイに加工できないことに気づきました。(これはブログ後半で記載いたします)

というわけで800℃でガラスをねじることにいたしました。

ねじるために必要なもの

温度は決定したものの、一体どうやってガラスをねじろうか・・・

最初に思いついたのは直接掴んでねじる方法
溶けてるガラスを直接ペンチなどで掴んでグリグリねじる。
いわゆるパワープレイです。

ところが電気炉内は800℃。もちろんペンチを使うとはいえ自分の手も800℃の電気炉内に・・・
むっちゃ耐火装備が必要やんか・・・
あかん、さすがにこれは無理。
ガラスにフックをつけてねじるそこで思いついたのが溶けたガラスにフックのようなものがくっ付いていれば、そこに何か引っ掛けてクリクリ回せば出来るんじゃないか・・・

確かにこれであれば電気炉内からある程度距離をとってガラスを加工することができそうっすよね。

ガラスにフックのようなもの・・・ ガラスにフック・・・ ガラスに引っ掛けれるやつ・・・

あ、ありました。
フュージングワイヤー

ガラスと一緒に焼成しても大丈夫な「フュージングワイヤー」
ガラスアクセサリーの金具やワイヤーアートとガラスフュージングを融合したり出来る何かと重宝なワイヤーです。

さっそくこのフュージングワイヤーをフック状に曲げ、ガラスに挟んで焼成することにいたしました。

これならばガラスが溶けたときワイヤーが一体化してガラスをねじったり引っ張ったり出来るようになるよね。


そこでもう1点気づいたことが・・・フックのついたガラスをねじるのにガラスのオシリを何かで押さえておかないと、ガラスごと回転しちゃってねじれないかもしれない・・・

はいはい。こういった感じでガラスを押さえることに・・・。
フュージングワイヤーを棚板に巻き付け、そこにガラスを挟むという荒技です。

一体どうやってねじる?

さてガラスにフックを取り付けるとこまでは何とかできそうです。
次に考えないとならないのはガラスを何でねじっていくのか。

もちろんペンチ&人力ということも考えましたが、ふと思いついたのが・・・

電動ドリル

クルクル回転するものなのでこいつを使えば自動でガラスをクルクルしてくれるのではないか。
もちろん800℃の電気炉の中に電動ドリルをぶち込むわけにはいかないので、先端を長ぁーくして L字方にフュージングワイヤーを括り付けてみた。

ええ感じっすねこれであればある程度の距離からガラスをねじることができそうですね。

800℃でガラスをねじることはできるのか

さていよいよトップ温度の800℃
ガラスをねじることはできるのか・・・

電気炉のフタを開けてそ〜っとドリルの先端を引っ掛けてスイッチオン・・・

クリクリクリクリ・・・

いけるねいけるね

コツとしてはクリクリしているうちにガラスの温度が下がり固まってくるのを利用して上手く引っ張ること。
ここが上手くいくと太さが均等になるようです。

また1本クリクリしてる間に電気炉内も他のガラスの温度も下がるので1本加工するごとに電気炉を閉めて温度を戻す必要があります。
そうなんです。なので800℃よりもっともっと温度を上げてガラスを加工しやすくした場合、温度を戻す過程ですでにねじっておいたガラスが丸くなったり棚板に沿って平らになっちゃうんですね。

やはり800℃くらいがベストかもしれません。

キレイなねじり模様に感動っすね。

思ったよりキレイになってくれました。ガラスが冷めてきて固くなるタイミングや引っ張る力がわかってくればもっとキレイにガラスが引けそうな気がします。

ネジネジガラスの使っていろんなことできそうです

ほんとキャンディーのようなポップなネジネジガラス棒が出来上がりました。

これを細かくカットして丸く焼成すればネジネジ模様のカボションが作れそうですね。
また、このネジネジ棒を並べて1枚の板にしてそこからガラス皿にしたり、ガラス板とガラス板の間に挟んでワンポイントとして使ったり、ガラスの周囲に置いて装飾として使ったりと・・・

考えれば考えるほど面白い使い方ができそうです。

ただ今回の荒技はヤケドやドリルの破損などどうしても危険が伴うので、いつもみたいに皆さんもやってみましょう!とは言えません。(どうしてもやりたい方は自己責任でお願いいたしますm(–)m)

ガラスに危険はつきものではございますが、安全第一でガラスを楽しんでくださいね。

ガラスを楽しみましょう!!

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