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カバーガラスで見え方を変えるフュージングテクニック

ガラスフュージング

ガラスフュージングではレイアウトしたガラスの上にクリアガラスを乗せて焼成する「オーバーラップレイアウト」という技法が良く使われます。

これは下に並べたガラスの形状がシャープに仕上がる技法として、またガラスの表面にクリアが乗ることによって焼成後のガラスがよりキレイに見える技法としても多用されてます。

上に乗せるガラスはクリアガラス
それが当たり前だと思っている方も多いのではないでしょうか。

実はクリア以外のカバーガラスを使うことによって思わぬ効果が得られることがあるというのをご存知でしょうか。

今回は上に乗せるガラスを変えることによってガラスの色の変化を楽しむ方法を紹介したいと思います。

カバーガラスで色の変化を楽しもう

通常ガラスフュージングではガラスをレイアウトしたら、そのレイアウトしたガラスの色をよりキレイに見せるためにクリアガラスを乗せて焼成します。

焼成後のガラスはレイアウトしたガラスがクリアコーティングされたようにとてもキレイで、改めてガラスの美しさを実感するのではないでしょうか。

カバーガラスはクリアじゃないとダメ?

もちろん最初にレイアウトしたガラスの色をよりキレイに見せるためにクリアガラスを乗せるのだから、不透明のガラスを乗せることはまずしないと思います。

では、他の透明系ガラスを乗せたらどうなるでしょうか。
そういえばそんな事考えたことなかった
なんて方も多いと思います。固定観念は怖い・・・

さすがに透明系といえども濃い色を乗せてしまうと下の色が暗くなってします。
そこで今回、品番上は不透明系なのですが透過性のある「オパリン」を乗せて実験してみました。

オパリンというちょっと不思議なガラス

ブルズアイ社製のフュージング用ガラスで「0403 オパリン」というガラスがあります。

これは焼成することによって本来の色が出るストライカーガラスと言われる種類で焼成前はクリアガラスとほぼ変わらない透明、焼成すると半透明の乳白色になるガラスです。
※ロットによっては焼成前でも白いモヤがかかった色の時もある。

焼成後のオパリンは、乳白色ながら光の入り方によってはブルーやオレンジ、黄色かかったように見えることも・・・
ちょっと不思議な感じのするガラスですね。

今回の実験を動画で解説

カバーガラスとしてオパリンを使ってみる

このオパリンをカバーガラスとして使うとどんな色合いになるのか。
みなさん興味津々だと思います。

モノトーンで並べたガラスを用意

今回は色の変化がよく分かるように、白から黒までモノトーンのグラデーションで並べたガラスにオパリンを乗せて焼成してみます。

使用したガラス|ブルズアイ3mm
0113 White
0132 Driftwood Gray
0136 Deco Gray
0236 Slate Gray
0100 Black
0403 Opaline

焼成方法はいたって簡単。
5cm×2cmにカットした各ガラスを順番に並べてその上にオパリンを乗せてフルフューズで焼成するだけ。

通常通りクリアを乗せて焼成すればプリンっとしたモノトーンのガラスプレートが出来上がるイメージ。
そのクリアガラスの代わりに今回はオパリンを使うという感じです。

焼成前のオパリンは見た目クリアガラスと変わらない

フルフューズ780℃で焼成する

今回使用する「0403 オパリン」
ブルズアイ社のマニュアルによると、しっかりとした乳白色にするにはフルフューズで焼成しなければならないとのこと。

しっかりとしたオパリンを出したいので780℃、いわゆるフルフューズの温度帯で焼成いたします。

トップ温度780℃で10分キープで、ちょうどいい狙い通りのプリンっとした形状に溶けてくれました。さすがにこの時点では焼成後の色は想像できません。

しっかり冷まして電気炉のフタ開けたら

青のグラデーションになったゾ

電気炉を開けてビックリ!
白から黒へのグラデーションガラスだったのが白から青へのグラデーションに。

そしてその青もクッキリとした色ではなく、フワッとしたソフトな感じのブルーグラデーションに。
これは面白い。

裏面はモノトーンのグラデーションのまま

もちろん焼成したガラスの裏面は最初のモノトーンのまま。
表はブルーグラデーション、裏はモノトーングラデーションという非常に面白いフュージングガラスが出来上がりました。

カバーガラスとしてオパリンを使うことによって、これまでよりフュージングでのカラーバリエーションがぐっと広がるのではないでしょうか。

オパリンの使い方・応用編

今回のようにレイアウトしたガラス全体をオパリンで覆うのもいいのですが、応用編としてガラス表面の一部分だけオパリンを使ってみることにも挑戦してみました。

ガラス表面の半分だけオパリンを使う

10cmのガラスを1cm幅でカットしたガラスをストライプで並べて、その上にオパリンとクリアガラスを対角線上にカバーガラスとして並べます。

面積的にはオパリンとクリアが半分ずつ。
その上全体に改めてクリアガラスを被せて合計3段重ねせ焼成してみました。

同じストライプの中に2パターンの色合いが面白い

なかなか面白い仕上がりになってくれました。
表面には同じストライプが走っているのに、色合いが2パターン存在するガラスの出来上がり。

オパリンが乗ってるふんわりマイルドなストライプ、クリアの部分はクッキリストライプ。

これを応用すればガラスプレートはもちろんガラス皿、サイズを小さくすればガラスアクセサリーにも使えそうですね。

「上に乗せるガラスはクリア」という固定観念から脱出して他の透明系ガラスを乗せてみるのも面白いのではないでしょうか。

さぁ、ガラスフュージングを楽しみましょう。


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