ガラスフュージングパーツを研磨ビットでフロスト加工にしてみた
ガラスフュージングで制作されたパーツがすりガラス状になってるのをみたことがあると思います。
焼成後のガラスのツヤツヤした表面ではなく、ボワッと柔らかい色に見えるある意味おいしそうなガラスの表情にうっとりしちゃいますよね。
このすりガラス、フロスト加工なんて言われるのですが一体どうやって加工しているんでしょうか。
ガラス工芸では
サンドブラストで表面を削る
エッチングクリームな薬品で表面を腐食させる
だいたいこの2種類の手法がとられることが多いと思います。
サンドブラスト機なんて持ってないし・・・
エッチングクリームって劇薬って聞くけど使うの躊躇しちゃう・・・
なんて少しハードルが高く感じてしまい、フロスト加工をあきらめてた方も多いかもしれません。
そこで今回は、ガラス研磨ビットを使ってフュージングパーツのフロスト加工に挑戦してみました。
研磨ビットであれば手軽にハンドルーターに装着してガラスにあてて削るだけなので、誰でも簡単にフロスト加工が楽しめるのではないでしょうか。
今回の内容を動画で解説しております
ガラス研磨ビットでフュージングパーツをフロスト加工する
一言でガラス研磨するビットといえども仕上の状態に合わせていろんなビットがあります。
・ガラスを削りガラス自体の形状を変えるもの
・ガラスを削った表面がザラザラとしている白い傷を細かくするもの
・ガラス表面の傷を消すもの
・鏡面加工に磨き上げるもの
ではガラスのフロスト加工にはどのような研磨ビットが最適なのでしょうか。
おそらく皆さんが思うフュージングパーツのフロスト加工は・・・
・ガラスの形状は変えたくない
・表面はマット感のあるすりガラス状にしたい
・マット感はあるものの表面のザラつきは少なくキレイに見せたい
こういった感じだと思います。
そこで本来の使い方とは違うのですが、「これならば使えそうだぞ!!!」
と頭に浮かんだ研磨ビットが・・・
アフロホイールビット
アフロホイールビット|フュージングやサンドブラスト後の研磨仕上げビット
ガラスフュージング研磨やサンドブラスト後の研磨仕上げに最適。サンドブラスト被せ生地の仕上げに、指紋が付かないように仕上がります。
アフロホイールビットとは一体なんだ?
なかなかイカしたネーミングの研磨ビット「アフロホイールビット」
元々は被せガラスにサンドブラスト彫刻した後、白くザラついた表面に
指紋汚れなどが付着しないように少しツルッとさせるための研磨ビットなんですが、
ガラス表面のザラついた部分を少しツルッとさせる・・・
そうです、この部分がフュージングパーツのフロスト加工で狙いたい仕上げそのものではないですか。
これは試す価値ありそうです。
2種類の番手でガラスを研磨
アフロホイールビットには2種類の研磨番手がございます。
中目:#180相当 通常はサンドブラストで表面が荒れたガラスを研磨してガラスのザラザラ感を少なくさせる役目のビット
極細目:#320相当 中目でザラザラ感がなくなったところを再研磨して少し光沢を持たせるために使用するビット(ガラスのマット感は残ったまま)
ここで注目すべきは中目ビット。
この中目は通常のガラスに使用した場合、ガラス表面が軽く削れる程度の研磨力なのです。
ということはフュージングで出来上がったツルっとしたガラスの表面に使用するとガラスが削れて白くなってくれるんです。
中目で傷ついたガラスを極細目で仕上げる
中目でガラス表面を削りザラつかせたるだけでも、ガラス表面はマット調になりフロスト加工にはなるのですが、やはりガラスに削った感がの残り白すぎる印象に・・・
そこで極細目でガラスを研磨してガラスを削った白みを抑え少し光沢のあるマット感に仕上げていきます。
いい感じでフロスト加工の出来上がり!
アフロビットでのフロスト加工の弱点
これでフュージングパーツのフロスト加工は完璧っすね!!
と言いたいところなのですが、どうしても弱点があります。
一度にまとめて制作できないサンドブラストやエッチングクリームだとまとめてかなりの数量をフロスト加工にできるのですが、研磨ビットでは1個ずつ研磨しないとならないので大量生産には不向き。
1個ずつじっくり仕上げるしかありませんね。
広範囲ではムラが出やすいビットサイズが数センチなので面積の広いガラスに使用するときはムラなく研磨するのに苦労します。
できる限りアフロビットの大きさ以内のガラスパーツを均等に研磨するのが条件になりそうです。
中目の抜け毛!?が多い研磨するガラスの形状にもよるのですが、完全な平面じゃない限り中目ビットのモジャモジャの抜けが早いです。
もちろんモジャモジャがなくなってハゲちゃうまで使用できるのですが、ちょっと減るのが早く感じるかもしれません。
手軽に少量をフロスト加工したい人向けの方法
今回はアフロホイールビットでガラスを研磨するフロスト加工方法をやってみました。
非常に簡単にガラスフュージングパーツをフロスト加工できるいい感じの方法なのですが、簡単になる分どうしても我慢しないといけない部分も出てきちゃいますね。
たくさんの数量をまとめての加工はできませんが、これまでハードルが高くてフロスト加工を最初から諦めていた方には最適な加工方法ではないでしょうか。
作品のバリエーションが広がることは間違いないので、皆さんもぜひチャレンジしてみてくださいね。
ガラスを楽しみましょう。
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