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ガラスの変色って実はおもしろい!?リアクティブガラスで遊んでみた

ガラスフュージング

どうも、つぎやんでございます! 

今回は、ちょっとガラスフュージングの「あるある」なお悩みを逆手に取った実験をしてみました。

それは…ガラスの変色現象、通称「リアクティブ」!

「せっかくキレイに並べたのに、焼いたら色が変わって台無し…」
そんな経験、ガラスフュージングやってる人なら一度はあるはず。でも、それって本当に“台無し”なんでしょうか?

これね、むしろその「変化」にこそガラスの面白さがあると思ってます。
今回はそんなリアクティブ現象を“計算して楽しむ”というテーマで、ガラス実験やってみました!

この記事の内容をYouTubeで解説

リアクティブってなんやねん?

まずはざっくり解説するね。
「リアクティブ」とは、異なる種類のガラス同士が化学反応を起こして色が変わる現象のことです。

ガラスにはいろんな金属成分が入ってるんですが、「鉛」、「銅」、「硫黄」、「セレン」など。
これらを含むガラス同士が高温で接触すると、焦げ茶っぽい色になることがあります。

たとえば、

  • 銅を含んだ青系ガラス
  • 硫黄を含んだ黄色系ガラス

この2つを一緒に焼くと、ガラス同士の接触面が反応して茶褐色になったりして、思ってたのと違う色になっちゃう。
これがガラスのリアクティブ。

普通なら「失敗した〜」ってなるんやけど、**この反応を“わざと起こす”とどうなるか?**っていうのが今回の実験テーマです。

ガラスのリアクティブに関する過去の記事

ブルズアイ社のリアクティブ資料がすごい

アメリカの有名なガラスメーカー「ブルズアイ(Bullseye)」さんでは、リアクティブ現象をまとめたリアクティブポテンシャルチャートっていう資料を出してくれてます。

これがめっちゃ便利!

どのガラスがどういう金属成分を含んでいて、どんな組み合わせでどんな反応が起きるか…ってのが色つきでわかるようになってるんです。英語やけどGoogle翻訳つかえばなんとなくわかる。

そして今回やってみる実験は、同じくブルズアイ社がこのリアクティブを楽しむ方法としてホームページに載せてくれてる技法の紹介資料、「Make-It Project: Linear Reaction」。

これを参考にしながら、実際にどんな変化になるのか実演してみました。

実験してみた!リアクティブを味方に!

今回使ったガラスはこの4種類

  • リアクティブクラウド(0009):一見白色のガラスだが、銅を含むガラス、銀箔などと反応する。
  • ターコイズブルー(1116):ストリンガー(細棒状)透明感のある青。銅が含まれてます。
  • クリア(1101):ストリンガー(細棒状)、“反応を止める”ために使います。
  • クリアTEKTA(1100-3):ベースガラスとして使います。

この組み合わせで、「反応する部分」と「反応しない部分」を**デザインしてみようよ**というガラス作品の制作方法です。

ストリンガーで“反応の線”を作る

まず、クリアのストリンガーを「0009リアクティブクラウド 10cm角」の上にランダムに並べます。
これは後から乗せる青いストリンガー”1116ターコイズブルー”が下の”0009リアクティブクラウド”に直接触れないようにするため。

その上から、”1116ターコイズブルー”のストリンガーを乗せていきます。
この時、クリアの上に重なる部分と、直接クラウドに触れる部分で、反応に差が出るのが狙い。
つまり:

  • リアクティブクラウド+ターコイズブルー →接点が 変色(茶色くなる)
  • リアクティブクラウド+クリア+ターコイズ → クリアが邪魔して無反応(青いまま)

この違いを利用して、“変色の模様”をコントロールするっていうわけなんです。

焼成プログラムはこんな感じ

焼成はフルフューズ。ガラスがしっかり溶けて一体化する温度です。
下に「クリアテクタ10cm角」、上にストリンガーを並べた「リアクティブクラウド10cm角」を重ねて焼成。

今回は10cm角の2枚重ね(厚み6mm)なので、一般的なブルズアイガラスのフルフューズ焼成プログラムです。

焼成中はドキドキでした。「思ったように色、出るかなぁ…?」って(笑)

結果発表!これはおもしろい!!

焼き上がった作品を見てまず思ったのは…

「うわっ、ちゃんと出てるやん!!」

ほんと、クリアで守られてる部分はキレイなブルーのままで、
それ以外のところはしっかり茶色に変化してくれてました!

しかも、変色部分がモヤっとしてて、まるで雲とか水のにじみみたいな雰囲気。
これ、偶然できたようにも見えるけど、**実は“狙って出した色**ってのがかっこええんですよね!

さらに…お皿にしてみた!

この板ガラスを、そのまま平らのまま置いておくのももったいないので、
ちょっと深めのモールド(型)を使ってスランピング。お皿にしてみました。

ここでも注意点があって、モールドが水平じゃないとゆがんじゃうんですよね。
なので水平器を使って、しっかりセッティング。

ブルズアイガラスの基本的なスランプスケジュールをベースに考えた焼成プログラムです。

ポイントは
・深めのモールドなのでガラスが曲がる時にゆがんで落ちないよう加熱をゆっくりめにした
・トップ温度できちっとモールドに沿わせるためキープ時間を長め(30分)とった

さて、しっかり冷まして電気炉を開けてみたら

しっかりスランプされてますね!!ナイス温度コントロールでした。

ブルーのラインが浮かび上がるアートなお皿!

ブルズアイ社が公開している資料通りの制作方法だとはいえ、実際にやってみると予想以上に面白い!
普通に作ったら絶対こんな雰囲気出ないな~って、自分でもちょっと感動(笑)

まとめ:「失敗」をデザインに変える楽しさ

今回の実験を通して、改めて感じたのは、

「ガラスの“予想外”って、案外おもしろい」ってこと。

リアクティブ現象って、最初はビックリするし、「なんでこうなった!?」って焦るんやけど、
それを知って、コントロールできるようになると、めちゃくちゃ面白い武器になります。

「この色とこの色を組み合わせたら、どんな風に変わるかな?」
そんなふうにガラスに問いかけるような制作ができると、作品作りがもっと楽しくなるんですよね。

最後に…YouTubeも見てね!

今回の実験の様子は、YouTubeの「グラクラマーケットTV」でも公開中!

動画内では今回用意したガラスストリンガーの秘密や温度コントロールの考え方などもより詳しく解説しております。

▼動画はこちら

ぜひ、動画も合わせて見てもらえると嬉しいです♪

それでは今回はこのへんで!
またおもしろい実験やったらレポートしますね~!
これからも一緒にガラスを楽しんでいきましょう!!

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