ガラスフュージングでのガラスの縮みと広がりの謎にお答えします
・ガラスフュージングでガラスが思ったより縮んじゃったんだけどなぜ?
・作りたい大きさにガラスカットしたのにガラスが広がって大きくなっちゃった
・カットしたサイズのままの大きさでガラスを焼成したい
ガラスフュージングでガラスの縮みと広がりの謎にお答えします
ガラスはフルフューズの温度帯において6mm厚になろうとする
これは「6mmの法則」「6mmルール」などと言われるガラスフュージングにおいて知っておきたい法則です。
ガラスをフルフューズの温度帯(800℃前後)で焼成した時は、この法則にしたがってガラスは形状を変化させます。
皆さんが電気炉を開けた時に「あれっ!?ガラスが縮んでる」「ガラスが広がっちゃった」というガラスフュージングでの失敗はこの6mmルールがわかればすべて解消できます。
6mmルールをわかりやすくする焼成実験をしてみました
BULLSEYE 0100 Blackの3mmを1枚(厚さ3mm)、2枚重ね(厚さ6mm)、4枚重ね(厚さ12mm)と3パターン並べて焼成することにいたしました。
この状態でトップ温度820℃で焼成してガラスの形状がどのように変化するのかを見てみます。
どのガラスが縮んで、どのガラスが広がるかわかりますか?
全て同じ厚さのガラスに820℃で焼成後のガラスはすべて同じ厚みのガラスになっているのがわかるかと思います。そうです、フルフューズの温度帯においてガラスは6mmになろうとするのです。
左のガラス(3mm厚)は6mmになろうとして縮む
中央のガラス(6mm厚)は元々6mmなので丸みを帯びるだけ
右のガラス(12mm厚)は6mmになろうとして広がる
これがガラスが縮む、広がるの理由なのです
6mmルールを動画で解説いたしました
焼成前のガラスとサイズを比べてみました
次に焼成したガラスの裏側を見てみましょう
4枚重ねて焼成したもの(厚さ12mm)はご覧の通りかなり広がっております。裏面に元のガラスを重ねてみました。6mm厚になろうとしてかなり広がっているのがわかるかと思います。
1枚のみ(厚み3mm)は6mmのなろうとしてかなり縮んでいるのがわかります。側面が白くなっているのは縮むときに棚板に敷いた離型紙を拾い上げているからです。
またこの離型紙を拾い上げる時にガラスが縮むのを妨げているため、角よりも側面がより縮んだ変な形状になてしまいました。
参考までにガラスフュージングで離型紙を拾わなくなる方法を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
参考
フュージング離型紙を焼成後のガラスの底に付着させない方法
フュージング離型紙を焼成後のガラスの底面に付着させない方法
フュージング離型紙と離型剤の上手な使い方、フュージングガラスの焼成後ガラスの底面が白くなってしまう失敗を防ぐ方法を紹介いたします。フュージングでフルフューズ作品を制作する人や高い焼成温度をよく使う人は必見です。
厚み6mmのガラスは6mmルールでどうなるのか
フルフューズにおいて厚み3mmのガラスは6mmになろうとして縮み、厚み12mmのガラスは6mmになろうとして広がるというのは理解していただけたかと思います。
厚み6mmのガラスはフルフューズでどうなるのか・・・
サイズはほぼ変わらない6mm厚をフルフュージングすると6mmルールに従ってガラスは伸びも縮みもせずそのままのサイズを保ちます。フルフュージングなので角は丸みを帯びるのですが面積的には元の板ガラスとほぼ同じサイズになります。
6mmになろうとするという法則なので当たり前と言えば当たり前ですね。
6mmルールを意識してガラスフュージングすること
6mmルールを意識してガラスフュージングすることによって、ご自身で焼成するガラスの並べ方や耐火物を用意するのかしないのか、トップ温度の設定など制作方法を悩まず進めることが出来るようになります。
自分で作りたい作品をフルフューズで丸みを帯びた可愛いガラスにしたい場合、焼成前のサイズを保ちたければガラスの厚みを6mmにすればいいのです。
逆に6mm以上厚みのあるガラスを焼成前のサイズで焼成したい場合には耐火物で囲ってガラスの広がりを止める必要がでてきます。
また厚さ6mm以下のガラスをフルフューズで焼成するのであれば、ガラスは間違いなく縮みますので棚板の上に複数のガラスを並べる時に隣同士の間隔は狭くても大丈夫でしょう。
今回のガラスの厚みは5mmだからフルフューズだと縮むので、タックフューズで焼成すれば元のサイズに近いガラスが出来る。
などなど恩恵はたっぷりあるのではないでしょうか。
是非皆さんも6mmルールを意識してガラスフュージングを楽しみましょう。
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