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【ガラスフュージング】ガラスの色と摩擦でガラスの溶け具合が変わるってホントなの?

ガラスフュージング 未分類

ガラスフュージングで「あれっ!?いつもの焼成プログラムなのに今回ガラスが溶けすぎじゃない?」なんて思ったことないでしょうか。

逆に「もうちょっと溶けると思ってたのに・・・」なんてこともあるかもしれません。

もちろんこのガラスの溶け具合の違いというのは電気炉の不具合の場合もあるとは思うのですが、一番考えられるのは・・・

ガラスの色とガラスの摩擦

今回はこの2つの原因で溶け具合が変わるとはどういうことなのかを解説したいと思います。

今回記事の内容をYouTubeで

ガラスの色とガラスの摩擦で溶け方が変わる

もう今回は先に結論から言っちゃいましょう。
ガラスフュージングではガラスの色で溶け方が変わります。そうなんです。電気炉でガラスを加熱していくと溶けやすい色のガラスと溶けにくい色のガラスがあるんです。
「柔らかいガラスと硬いガラス」なんて言い方をすることもありますね。

主に黒や赤などは溶けやすく、白やフレンチバニラみたいな白系のガラスは溶けにくい特性をもっており、この色の違いで同じ焼成プログラムでも溶け方が違うなんてことが起こるんです。
ガラスの摩擦でも溶け具合は変わります「ガラスの摩擦」と言われてピンっと来る人はあまりいないかと思うのですが、これは「ガラスが縮んだり伸びたりする時に電気炉の棚板や離型剤、離型紙との間に起こる摩擦によって溶け具合が変わることがあるよ」ということ。

まだ、もうひとつイメージがわかない方も多いかもしれませんね。

というわけで今回はこのガラスの色とガラスの摩擦による溶け具合の変化が一度にわかる実験をしてみました。

溶けやすいガラスと溶けにくいガラス

まず用意したガラスは
BULLSEYE GLASS(ブルズアイガラス)
・0100 Black
・1100 Clear TEKTA

両方とも皆さんが制作でよく使用するガラスだと思います。
ブルズアイ社も自社のホームページで公開してますが、「0100 Black」は溶けやすいガラス(柔らかいガラス)「1100 Clear TEKTA」は割と溶けにくい硬めのガラスなんです。

この2色のガラスを4cm角、2cm角、1cm角にカットいたしました。
厚みはどちらも3mm厚。

これをフルフュージングしてガラスの溶け具合、そして縮み具合を見たいと思います。

3mm厚のガラスをフルフュージングということは、このガラスは縮みますよね?
この意味はわかりますか?

「ん?わかんない」という方はガラスフュージングで大切な考え方「6mmルール」についての記事を見てみてね

ガラスフュージングでのガラスの縮みと広がりの謎にお答えします

フルフュージングでガラスを焼成する時の「6mmルール」を解説
【ガラスの厚みとの関係】
1.6mm厚になろうとするガラス
2.サイズを変えない焼成方法

» この記事を読む

そうです。色の違いによる溶け具合はこの2色の溶け具合を見てみようという実験です。

ガラスとガラスを置く場所との間の摩擦

次にガラスの摩擦の実験の部分。

まず棚板に離型剤「パーフェクトプライマー」をスプレーします。

次に長方形にカットした離型紙「セラフォーム」を2枚用意して、そのうち1枚には離型剤をスプレー。

そして離型剤をスプレーした棚板の上に「離型剤をスプレーした離型紙」と「そのままの離型紙」を両端に並べます。

つまり、向かって左から「スプレーした離型紙」中央部分は「スプレーした棚板」そして右は「そのままの離型紙」

これに先ほどのカットした2色のガラスを乗せて焼成するわけです。
ガラスを置く場所の条件が3通りあるということですね。これでガラスと置く場所との摩擦による溶け具合をみることができます。

各温度でのガラスの様子を見てみよう

まずはガラスを並べた焼成前の状態。
ひょっとすると「電気炉自体の温度ムラで溶け具合って変わるんじゃないの?」なんているかもですが、使う電気炉は「キルンキング160NF」。

サイドファイアー(電気炉の壁4面に熱源があるタイプ)の小型電気炉ということで温度ムラはかなり発生しにくいのでその辺は心配ないかと思います。

700℃の状態

ほぼどれも四角いままで変化がありませんね。

730℃での状態

少し変化が出てきました。
各ガラス角が溶け始めて丸みを帯びだしてきましたね。少し中央列の棚板に直接ガラスを乗せてるのが縮みが早く始まってるのが見てとれます。

760℃での状態

ちょっとずつ変化が出てきてます。
各ガラスとも角は丸みを帯び始め、これから縮んでいくぞ感がでてますね。

注目したいのは・・・
まず色による違い。明らかに上段の黒の方が早く縮みだしてますね。
そして1cm角サイズの溶け具合を見てもらいたい。下のクリアと比べて丸くなり具合が明らかに違いますね。クリアガラスはまだ四角さが残ってるのに対し、黒はもう角がほぼ取れて丸くなりかけてます。

この760℃で色による溶け具合の違いがはっきり分かるようになりました。

そしてガラスの摩擦による溶け具合の違い。
真ん中の列、棚板に離型剤のみの上に乗せたガラス達の方が明らかに早く縮んできてます。これはつまり、離型紙を敷いた方がガラスとの摩擦力が高いということを表してます。
離型紙がある分、摩擦が強く棚板そのままよりも縮むのが遅れてきてるんですね。

780℃での状態

かなり変化が出てきました。
もうどのガラスも縮んできてますね。特に1cm角のガラスはどれももうまん丸になっております。

まずは色による溶け具合(縮み具合)の違いから。
明らかに上段の黒の方が早く溶けてより縮んでますね。また注目してもらいたいのは2cm角サイズのガラス。

上段の黒の2cm角と下段クリアの2cm角では明らかに溶け具合が違います。なんなら黒はもうほぼ丸に近い状態で、クリアはまだ四角っぽさが残った溶け具合です。

そしてガラスの摩擦による違い

やはり棚板に直接おいたガラス達が一番溶けて縮んでます。これは黒同士、クリア同士でくらべても同じく棚板のみの中央列が溶けるのが早い。やはり離型紙が無い分摩擦が少なく早くガラスのなりたい状態に近づいてるということなんですね。

またよく見ると・・・
離型紙にパーフェクトプライマーをスプレーした向かって左の列の方が、離型紙のみの右列より少し早く溶け縮んでます。
なるほど、同じ離型紙でも離型剤をスプレーした方がガラスとの摩擦力は少ないようです。

800℃の状態

各ガラス先程よりかなり溶け縮んでますね。
色別にみてみると、もう上段の黒の1cm角2cm角はまん丸なガラスになってます。これに対しクリアのガラスは1cm角はまん丸になってますが2cm角はまだまん丸までいってない状況。
クリアの方が溶けにくい(硬い)のは一目瞭然ですね。

摩擦力はどうでしょう。
やはり中央列の棚板のみが一番溶け縮んでますね。「フルフューズの状態でガラスは6mmの厚みになろうとする」。そう、ガラス自身がなりたいカタチにどんどんなっていってる状態です。

続いて離型紙に離型剤をスプレーした向かって左側。こちらもかなり溶け縮んできてます。やはり離型紙がある分、棚板のみには追い付いてませんがどんどんガラスのなりたいカタチに近づいてきてますね。

それから棚板に離型紙のみのガラス。
もちろん溶け縮んできてはいるのですが、やはりこれが一番摩擦力が高いんですね。

これらの実験を見ていくと、このガラスとガラスの置く場所との摩擦の力というのは、ガラスが加熱され溶けてないたいカタチになるのを妨げるものだと定義づけできますね。

820℃の状態

さぁここで最終820℃の状態はというと。
「あれ!?各ガラスの溶け具合の差が少なくなってない?」
そうなんです。今までの流れからするともっと各色、各摩擦力で溶け具合の差が広がっていそうなものですが、なんと各ガラスの溶け具合の差が少なくなってます。

一体どういうこと!?なんて思われるかもしれませんが、これは自然な事。
各ガラス加熱されてそのガラス自身がなりたい形状になるわけですが、ある程度なりたい形状になればそこからは動かなくなります。

なので摩擦力が少なく早く縮んだガラスはある程度なりたい形状になったのでそこからは形状が変わらず、他の遅れて縮んできていたガラス達が追い付いてきたということなんです。

そうすると溶け具合の差が少なくなっているのもわかりますね。
例えばこのまま840℃とかに上げると、ますます各ガラスの溶け具合の差は少なくなり形状の差が無くなっていきます。

ひとまずここで今回の焼成実験は終わりとしましょう。

ガラスの溶け方は色と摩擦で変わってくる

いかがでしたでしょうか。
今回はガラスの色の違いでの溶け具合の違い、そして焼成するガラスの設置条件から起こるガラスの摩擦による溶け具合(縮み具合)の違いについて解説してみました。

ガラスの摩擦に関しては、いつも棚板や離型方法が同じであればそれほど気にしなくても大丈夫なのですが、ガラスの色による溶け具合の違いは制作するガラスをデザインする時から意識する必要があると思います。

より精密なガラスを作ろうと思うと「この色は溶けやすいのでこの位置で、この色は溶けにくいからこう配置しよう」なんていう考え方も必要になってくるのではないでしょうか。

色によって、温度によって、重ね方によってなど自身で使うガラスの特性をっていきましょう。
ガラスフュージングがもっともっと楽しくなりますよ。

さぁみんなでガラスを楽しもう!!

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