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ガラス端材をストリンガーに!離型剤が足りずに大失敗した話

ツイストケイン・ストリンガー 端材の使い方

ガラスフュージングをしていると、どうしても出てしまうのがガラスの端材。うちでも作れば作るほど溜まっていって、正直「余って仕方がない」状態でした。捨てるのはもったいないけど、使い道も思いつかない……。

棚板の上に並べたガラスフュージングの端材
どんどん溜まっていく端材

そこで、なんとか使えないかと工夫してみたのが、端材をガラスストリンガー(細長い棒状の素材)にすることです。高温の電気炉を開けて作業するかなり危険な方法なので、みなさんにおすすめするものではありません。「うちではこうしてみた」という記録として、失敗談も含めてお伝えします。

この記事の内容は動画でも見られます

溜まっていく端材、どうしてますか?

端材の定番活用法といえば、適当なサイズにカットしてフルフュージングでまん丸に焼く方法です。丸く焼いたパーツはアクセサリーのパーツにしたり、プレートの装飾として使ったりできるので、実践している方も多いはずです。

ただ、うちでは丸いパーツまでどんどん溜まっていく始末……。そこで苦しまぎれに工夫してみたのが、端材を引き延ばしてストリンガーにするという方法です。

なお、ガラス端材を活用した別のアプローチとして、端材を溶かして板ガラスを自作する「手打ちガラス」という技法もあります。こちらも端材を無駄なく使い切るユニークな方法です。

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そもそもストリンガーとは?

ストリンガーとは、細長い棒状のガラス素材のことです。ガラスフュージングでは、プレートのベースに並べてデザインの骨格を作ったり、装飾として上に乗せたりと、非常に汎用性の高い素材として使われています。

端材から引いてみると、複数のガラスを合わせたものや市販品にはない色のストリンガーになることもあり、引き方によって太さも変わります。余りものから思わぬ素材ができるのは、ちょっとうれしい発見でした。

ストリンガーを使った具体的なデザイン展開については、ストリンガーを使ったガラスフュージングの表現方法にさまざまなアイデアがまとめられています。あわせて参考にしてみてください。

端材からストリンガーを作る流れ

ここから先は、約830℃まで上がった電気炉の扉を開けて、中のガラスをペンチで直接引っ張る作業です。火傷の危険が大きく、誰にでもおすすめできる方法ではありません。「うちではこうやってみた」という記録として読んでください。

端材からストリンガーを作る流れの図解(端材を並べて焼成・約830℃・ペンチで引っ張る)

用意するもの

  • ガラスフュージングの端材
  • 電気炉
  • 棚板・離型剤(パーフェクトプライマー)
  • ペンチ・手袋など

ステップ1:端材を棚板に並べる

棚板に離型剤(パーフェクトプライマー)をしっかりと吹き付けてから、端材を並べます。後述しますが、ここで離型剤が足りないと痛い目を見ます。均等に濡れているように見えても、量が少ないと薄い部分がくっついてしまうので注意してください。

離型剤パーフェクトプライマーと棚板
パーフェクトプライマーを棚板に
端材を並べた棚板を電気炉に入れたところ
端材を並べて電気炉へ

ステップ2:電気炉で約830℃まで加熱する

フルフュージングの温度(一般的に800〜810℃前後)よりも少し高い830℃前後まで加熱します。この温度になるとガラスがやわらかくなり、引き延ばしやすい状態になります。

ステップ3:ペンチで挟んで引っ張る

ガラスが十分に柔らかくなったら、ペンチで端をつかんでゆっくりと引き延ばします。引っ張る長さによって太さをコントロールできます。

  • 細く仕上げたいとき:長く引っ張る
  • 太めに仕上げたいとき:短めに引っ張って途中で止める
  • ヌードル状に仕上げたいとき:短く引く
電気炉からペンチでガラスを引き延ばしているところ
電気炉から引き延ばす
棚板の上に伸ばした色とりどりのストリンガー
伸ばしたストリンガー

やってしまった!離型剤が足りなかった失敗談

実際にやってみたところ、1回目は大失敗をやらかしました。スプレーの残量が少なかったこともあり、「まあ均等に濡れてるし大丈夫かな」と思って進めたところ……ガラスが棚板にがっつりとくっついてしまいました。

棚板にガラスがくっついてあたふたしている失敗シーン(動画より)
棚板にくっついて、あたふた…(動画より)

厚みのある部分は剥がれたものの、薄い部分はしっかりくっついてしまい、剥がす際に破損。モールドを使うときと同様、特に今回のような高温で焼成するときは、離型剤はムラなくしっかり塗るのが正解です。

離型剤が足りないとガラスが棚板にくっつく仕組みの図解

気を取り直して離型剤をしっかり吹き直した2回目は、ガラスがきれいに伸びてストリンガーの完成。失敗から学ぶことで、次の成功につながりました。

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やってみてわかった、端材ストリンガーのおもしろさ

市販にはない色になることも

たとえば、ブルズアイの1215番(ライトピンク)。このガラスは金(ゴールド)で色を出す「ストライカー」で、本来は昇温の途中で約663℃を2時間キープする「ゴールドホールド」を通ってはじめて、きれいなピンクに発色します。

ところが、ゴールドホールドを通らずに短い時間で焼くと、ピンクに発色しきらずに表面は褐色っぽく、光にかざすと透過色がブルーに見える状態になります。これが「サフィリン効果」です。サフィリン効果を持つストリンガーは市販されていないため、自作でしか手に入らない素材です。

ピンクや赤が発色するしくみは、ピンクや赤が発色しない原因は「ゴールドホールド」かも|ブルズアイの金発色ガラスの焼き方で詳しくまとめています。

ブルズアイ1215ライトピンクの焼き方の違い(ゴールドホールドありはピンク、なしで短く焼くと表面は褐色・透過色はブルーのサフィリン効果)

複数のガラスを合わせたストリンガーも

色の違う端材を合わせて引き延ばせば、複数のガラスを合わせたストリンガーも作れたりします。

作ったストリンガーでプレートを制作してみた

今回作ったさまざまなストリンガーを並べてフュージングし、その後スランプ(型に乗せて熱で曲げる工程)を加えることで、1枚のオリジナルプレートに仕上げました。

自作ストリンガーを並べた焼成前の状態
ストリンガーを並べて焼成する
スランプして器にした完成作品
スランプして器に

ストリンガーの色や太さ、配置の違いによって、まったく異なる雰囲気の作品になるのが面白いところです。端材から始まったとは思えない、しっかりとした完成度のプレートができ上がりました。

注意点:火傷のリスクに気をつけて

電気炉内の高温のガラスをペンチで直接触って引き延ばす作業は、火傷の危険を伴います。手袋などで手を守っていても、リスクはゼロではありません。

もしやる場合は、あくまで自己判断・自己責任でお願いします。なお、この作業で「自分の電気炉の温度でガラスがどれくらいやわらかくなっているか」を手で感じられたのは、ちょっとした発見でした。

まとめ:余った端材を工夫してストリンガーにしてみた

端材が余って仕方がなくて工夫してみた結果、ストリンガーにすることもできるとわかりました。うまくいけば、市販品にはない色や太さのストリンガーが手に入ります。ただし、高温の電気炉を開けてガラスを引っ張る危険をともなう方法なので、もしされる方は十分注意してくださいね。

やってみてわかったポイントはこちらです。

  • 高温のガラスを扱う危険な作業。やるなら自己責任で、手袋などで手を守る
  • 特に高温で焼くときは、離型剤をムラなくしっかり塗る
  • 加熱温度はフルフュージングより少し高い830℃前後
  • 引っ張る長さで太さが変わる
  • 複数のガラスを合わせたストリンガーも作れたりする

端材の使い道のひとつとして、「こんなこともできるんだ」と頭の片隅に置いておいてもらえたらうれしいです。

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