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【まとめ】ガラスフュージングの失敗、原因はこれかも|割れた・気泡・変色・曇りを症状から逆引き

はじめての人へ

電気炉のフタを開けた瞬間の、あの「うわっ…」。
割れてる、茶色くなってる、曇ってる、思ったサイズと違う。
ガラスフュージングを楽しんでたら、誰でも一度は通る道だと思います。

でもね、ガラスって理由もなく勝手に失敗したりしないんよね。
割れたのにも、変色したのにも、ちゃんと理由がある。

その理由さえわかれば、次からは減らせます。

このブログでは6年かけて、いろんな失敗とその原因を記事にしてきました。

今回はそれを「症状」から逆引きできる形にまとめます。
「今まさにこうなってる」というところから読んでみてください。

この記事の使い方

あなたのガラスに起きたことに近いものを、下から選んでください。そこから詳しい記事に飛べます。

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1. ガラスが割れた

電気炉の中で割れたフュージングガラス。割れ方に焼成の原因が出る

一番ショックなやつですね。実はフュージングでガラスが割れる原因は、大きく3つしかありません。

  • 物理的な割れ…ぶつけた、落とした
  • 温度差による割れ(熱割れ)…ガラスの中で温度がバラバラになった
  • 歪みによる割れ…ガラスの中に力が残ったまま冷えた

この3つのどれなのかを見分けるのが第一歩です。ここが分からないまま「とりあえずゆっくり焼こう」とやっても、原因が違えば直りません。

電気炉の中で割れていた場合

これ、悲しいんですけどチャンスでもあります。割れ方には、あなたの温度コントロールのクセがそのまま出るんです。
まっすぐスパッと割れたのか、細かく散ったのか。それを見れば「上げ方が急すぎた」のか「徐冷が足りなかった」のかが読めます。捨てる前に、まず見てください。

できあがった後から割れた場合

「電気炉から出したときは無事だったのに、しばらくして食器棚で割れてた」
これは歪みを疑ってください。ガラスの中に力が残ったまま固まっていて、時間差で限界が来るパターンです。

そしてもうひとつ、忘れちゃいけないのが膨張係数。

違うメーカーのガラスを混ぜて焼くと、冷えるときの縮み方が違うので、ガラスの中で引っ張り合いが起きます。

これは高確率で割れます。「ダメ絶対」と言い続けているのはこれが理由です。

2. サイズと形が思ったのと違う

ノギスでフュージングガラスの厚みを測っているところ

「せっかくキレイに切ったのに縮んでる」「隣のガラスとくっついて変な形になった」
これはほぼ全部、6mmルールで説明がつきます。

フルフューズの温度帯(800℃前後)まで上げると、ガラスは厚み6mmになろうとします。

だから薄すぎるガラスは縮んで小さくなるし、6mmを超えると余った分が横に広がる。

ガラスがワガママなんじゃなくて、そういう性質なだけなんですね。これを知ってるだけで、狙ったサイズに作れるようになります。

「同じ温度で焼いたのに毎回違う」なら

ここ、意外と知られてないんですけど、ガラスは色によって溶け方が違います。

黒と白を同じ条件で焼いても、溶け始めるタイミングが違うんです。

さらにメーカーが違えば溶け具合も変わります。ブルズアイの感覚でモレッティを焼くと「あれ?」となる。

3. 気泡が入った

気泡が入った青いフュージングガラスと、気泡を減らしたガラスの比較

正直に言うと、僕は気泡が結構好きです(笑)。

フュージングらしくてカワイイやん、と思ってしまう。

でも「研磨するときに気泡に当たるのが嫌」「作品として泡は消したい」という気持ちもすごくよく分かります。

気泡はガラスとガラスの間にあった空気が、逃げ切る前にフタをされてしまった結果です。
ということは、逃がしてやる時間と道を作れば減らせる、ということ。ここが分かると対策が組み立てられます。

気泡ゼロは難しいけど減らすことはできますよ。

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4. 色が思ったのと違う

ブルズアイ0144と0145を焼き比べた、ガラスの変色サンプル

接点に茶色いラインが入った

「黄色と青を合わせたら境目が茶色くなった」というやつです。
これはガラスの色を出すために使われている金属や鉱物が、焼成中に反応したから。

ガラスが汚れたわけでも、あなたが下手なわけでもありません。化学反応です。

そして面白いのが、反応する組み合わせは決まっているということ。つまり避けることもできるし、狙って使うこともできます。この「狙って使う」が実は楽しかったりする。

ピンクや赤が発色しない

「買ったときはピンクだったのに、焼いたら青っぽい」
「ムラっぽい斑点が残る」

これ、ガラスの不良品じゃありません。焼成スケジュールが原因であることがほとんどです。

ブルズアイの一部の色は金で発色していて、「ゴールドホールド」という保持工程を入れないと色が出ないようにできています。対象の色はメーカーが公式に指定しています。知らずに普通のスケジュールで焼くと、ほぼ確実に色が出ません。

逆に、この「発色しきらない」状態をあえて使うこともできます。1215ライトピンクを短い時間で焼くと、表面は褐色っぽく、光にかざすと透過色がブルーに見える「サフィリン効果」が出ます。

模様が思ったように出なかった

流れ模様のストリーキーガラスは、切る向きと重ね方で仕上がりがガラッと変わります。ここは「成功例」より「失敗例」を見たほうが早いです。

5. 表面が曇った・指紋が焼き付いた

青いフュージングガラスの表面に焼き付いてしまった指紋

焼き上がったガラスの表面が、なんとなくモヤっと白い。
よく見たら指紋のあとが焼き付いてる。

前者は失透(しっとう)という現象、後者は皮脂などの汚れがそのまま焼き付いたものです。

これ、あきらめなくて大丈夫です。戻せる方法があります。
どのやり方が一番効くのか、実際に比べてみた記事がこちら。

そして、そもそも焼き付けへんためには「焼く前の洗い方」が肝心。
食器用洗剤やペーパータオルが実はアカン理由まで、ブルズアイ社の洗浄マニュアルを読み解きました。

6. 底が白くザラつく・離型紙のトラブル

底面に離型紙が付着して白くザラついたガラスと、キレイに仕上がったガラス

棚板から取り上げたら、底に離型紙がこびりついて白くザラザラ。洗っても取れない。
これ、焼く前のひと手間で防げます。

底面って目立たないからと放置しがちですが、器にすると意外と見えるんですよね。

もうひとつ、「離型紙が一部だけガラスに引っ張られて寄ってきた」という現象もあります。これは視聴者さんからの質問がきっかけで調べたもので、ガラスの色と摩擦の話につながっていく、なかなか面白い話でした。

離型紙ではなく、棚板に離型剤を塗って焼くときも同じです。量が足りないと、薄いところがガラスごと棚板にくっついてしまいます。特に高温で焼くときは要注意です。

7. 側面がキレイにならない

側面が凸凹に仕上がったフュージングガラスの皿

「スパッと真っ直ぐになると思ってたのに、側面が凸凹」
これは焼成側で減らせる部分と、研磨で仕上げたほうが早い部分があります。両方知っておくと、無駄に焼き直さずに済みます。

8. モールド・型まわりのトラブル

ステンレスカップを型にしてドレーピングしたガラス

型を使うスランピングやドレーピングは、ガラスの中の温度差に加えて「型とガラスの温度差」も足されます。だから型を使うときは、いつもより温度の上げ下げを慎重に。

あと、100均グッズを型にする実験もいろいろやってきました。うまくいったものも、やらかしたものも、まとめてあります。失敗しても100円、というのは実はすごく強い。

失敗は、ガラスからのメッセージです

ここまで8つの症状を並べてきましたが、ひとつ言っておきたいことがあります。

失敗が、そのまま作品になることもあります。
僕自身、端材を隅っこで焼いただけのガラスが、光の当たり方で表情が変わる不思議なガラスになったことがあります。

ま、先ほどの金が含まれるガラスの「ゴールドホールド」しなかった結果なんだけどね・・・

狙って作れなかったからこそ面白かった。

大事なのは「失敗しないこと」じゃなくて、「なんでこうなったか分かること」だと思っています。
分かっていれば、避けることもできるし、狙って再現することもできる。それができたとき、ガラスフュージングは一気に面白くなります。

原因の多くは、結局「温度」です

ここまで読んでもらうと気づくと思うんですが、割れ・サイズ・気泡・発色…原因の入口がだいたい温度に集まってきます。

温度はなんとなくこのくらい。時間もとりあえずこのくらい。割れなければOK。

それでも作品は完成します。でもそのやり方だと「再現性」が育たない。

前はうまくいったのに今回はダメ、の繰り返しになってしまいます。

そこをちゃんと理解したい方に向けて、温度管理のオンライン講座をやっています。よかったらのぞいてみてください。

またいつか開催すると思います。

これから始める方へ

まだ始めたばかりで「そもそも何を揃えたらいいの?」という方は、こちらから読んでみてください。

ガラスは、ちゃんと理由を持って動いてくれる素直な素材です。
失敗したときこそ、そのガラスをよく見てあげてください。

次のヒントが、たいていそこに写ってます。


それではみなさん楽しいフュージングライフを!!

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